タイトル | 有色かんしょ粕の飼料化 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
塩谷繁 岩間裕子 神谷充 田中正仁 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 有色かんしょ粕は、乾物中の可溶無窒素物およびTDN含量がそれぞれ93、81%で、ビートパルプまたはアルファルファーミールを混合することにより、日乳量30kg程度の泌乳牛用TMR(混合飼料)の配合原料として活用できる。 |
キーワード | 泌乳牛、混合飼料、かんしょ粕 |
背景・ねらい | 有色かんしょは、機能性成分を多く含むことから健康食品としての需要が増加し、それに対応して生産量の増大が予想される。しかし、その色素抽出残渣(粕)は、デンプン等の貴重な栄養分を多く含んでいるにもかかわらず、産業廃棄物として処理されている。そこで、環境保全的な農産物リサイクルの推進に資する目的で、有色かんしょ粕が有する飼料特性を明らかにし、乳牛への適正な給与方式を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 有色かんしょ粕の飼料成分は、粗蛋白質含量が2.57%と低いが、可溶無窒素物含量が93%と多い(表1)。また、栄養価は、TDN含量が81%で、高カロリー・低蛋白質の飼料である(表2)。 2. 有色かんしょ粕にビートパルプとアルファルファーミールを加えることにより、色素抽出に用いた余剰の水分が吸着され、乾物率の増加により輸送等のハンドリングが向上する。また、飼料成分も粗蛋白質および粗繊維含量が増加し、乳牛用飼料に適した養分バランスに改善される(表1)。 3. 上記の飼料をイタリアンライグラス乾草主体またはコーンサイレージ主体のTMRに20%の割合で混合調製し(表3)、泌乳中期のホルスタイン種泌乳牛2頭ずつに1ヶ月間給与した結果、乾物摂取量、乳量および乳成分に異常は認められない(図1)。 以上のことから、有色かんしょ粕は、日乳量30kg程度の泌乳牛において、TMRの配合原料として十分に活用できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 泌乳牛への給与指針として活用できる。 2. 原料のかんしょ粕は、色素抽出のための酸を含みpHが2~3と低いことから、保存性は良いが取り扱いに注意する。しかし、ビートパルプまたはアルファルファーミールと混合後は、中性化し腐敗しやすいので、短期間(1~2日以内)で給与する。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | アルファルファ イタリアンライグラス かんしょ 機能性成分 乳牛 輸送 |