タイトル | 豚におけるアミノ酸消化率の表示法と測定サンプルの採取条件 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 2000~2004 |
研究担当者 |
梶 雄次 勝俣昌也 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 8時間等間隔の1日3回給餌条件下であれば、T字型カニューレ装着豚を用いたアミノ酸消化率測定のためには小腸内容物を連続8時間採取することにより、代表的なサンプルとすることができる。内因性アミノ酸量を補正した真のアミノ酸消化率に対する飼料中アミノ酸含量の影響は少ない。 |
キーワード | アミノ酸、消化率、サンプリング、カニューレ、家畜生理・栄養、豚 |
背景・ねらい | 過剰なアミノ酸給与を避けるための精密な飼料設計を行うためには、アミノ酸消化率を考慮する必要がある。豚では、大腸に流入したアミノ酸が体蛋白質の合成にほとんど利用されないことから、アミノ酸消化率の測定は回腸末端で行われる。T字型カニューレを用いた回腸内容物の採取では、全量採取は不可能である。そこで、T字型カニューレ装着豚を用いたアミノ酸消化率の測定に影響する変動要因を明らかにし、これらの影響を受け難い測定条件を明らかにした。 |
成果の内容・特徴 | 1. 8時間等間隔の1日3回給餌条件下では、小腸内容物を連続8時間採取することにより、アミノ酸消化率の日内変動の影響を受けない代表的なサンプルとすることができる(図1右;バリン以外のアミノ酸の消化率も8時間サンプルで変動は小さい)。 2. 大麦のように4時間サンプルでは、給餌時刻と連動してアミノ酸消化率が日内変動を示す場合がある(図1左;バリン以外のアミノ酸の消化率も同様の日内変動あり)。 3. アミノ酸消化率には、内因性アミノ酸の影響を考慮しない見かけの消化率(式1)と内因性アミノ酸の影響を補正した真の消化率(式2)がある。 4. 見かけのアミノ酸消化率は、飼料中の粗蛋白質含量(アミノ酸含量)の影響を受ける(表1)。 5. 真の消化率では、飼料中の粗蛋白質含量(アミノ酸含量)にかかわらず、精度良く一定の消化率を得ることができる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 内因性アミノ酸量を測定するために給与する無蛋白質飼料(デンプンや糖を主体としビタミン、ミネラルを補給した飼料)では、通常飼料で欠乏することのないカリウムとマグネシウムが不足するので、炭酸カリウム0.50%、硫酸マグネシウム0.30%を添加する。 2. 回腸末端へのT字型カニューレ装着手術の方法は、「新編動物栄養試験法(養賢堂)」に記載あり。 3. 飼料の給与量は、1日あたり90g×kgW0.75程度で、無蛋白質飼料を含めて残飼が出ない量とする。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
カテゴリ | 大麦 飼料設計 豚 |