株出栽培に適する安定多収サトウキビ新品種「Ni16」

タイトル 株出栽培に適する安定多収サトウキビ新品種「Ni16」
担当機関 (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2001~2005
研究担当者
発行年度 2002
要約 サトウキビ「Ni16」は初期生育が優れ、春植及び夏植で安定して多収である。萌芽が優れ、株出で発病の多い黒穂病に対する抵抗性を具えるため、株出栽培にも適する。黒穂病多発地域や低収量地域に普及することによって生産の安定が図れる。
キーワード サトウキビ、安定多収、株出、良萌芽性、黒穂病抵抗性
背景・ねらい 沖縄県北部地域は、痩せた土壌、干ばつ、黒穂病の蔓延等のために収量が低く、株出栽培も不振であるためにサトウキビの生産が減少している。生産振興の鍵は、植付け作業が不要で省力栽培が可能である株出栽培での安定多収であるが、同地域の普及品種「F177」は萌芽性が悪く少収、「NiF8」は収量が不安定、「Ni9」は株出多収であるが黒穂病に弱い。そこで、株出で発病の多い黒穂病に対する抵抗性を具え、痩せ地や干ばつ条件下でも株出多収性を発現する品種を育成し、低収量地域での生産安定を実現する。
成果の内容・特徴 1.「Ni16」は、茎伸長良好で高糖性の「RF78-209」を母本に、中茎でさび病、モザイク病等に強い「CP70-1133」を父本にして1989年に交配し、1990年に実生を植付けて以降、収量性を重視して選抜した系統である。2.1茎が重い茎重型系統で、NiF8並に脱葉がしやすいため、人力収穫にも機械収穫にも適する。3.F177、NiF8に比べ春植、株出で明らかに原料茎重が多い。萌芽が良好なため株出でも安定多収である。可製糖率はF177と同程度でNiF8より低いが、可製糖量はF177、NiF8より多い。4.株出しで発病の多い黒穂病の抵抗性は「中」で、F177、Ni9と比べて明らかに強く、株出栽培に適する。5.黒糖品質がNiF8より優れる。
成果の活用面・留意点 1.黒穂病の蔓延、干ばつの常発、痩せ地等の悪条件のために株出栽培が難しい低収量地域では本系統の普及で株出栽培が安定する。黒糖品質がNiF8より優れるため、黒糖生産地域での利用にも適する。2.春植の場合、植付け時期が遅れると出芽不良になる場合があることから、適期植付けと健全種苗の利用に留意し、欠株を出さないようにする。3.風折抵抗性は強くないので、風折害の発生しやすい圃場での栽培は控える。
図表1 221993-1.gif
カテゴリ さとうきび 出芽不良 新品種 多収性 抵抗性 品種

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