タイトル | イチゴ果実中のビタミンC含量の遺伝 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
沖村誠 曽根一純 望月龍也 北谷恵美 野口裕司(北海道農研) |
発行年度 | 2002 |
要約 | イチゴのビタミンC含量は量的遺伝を示し、広義の遺伝率は高く、優性効果もみられ、高ビタミンC含有品種間の交配により、より高いビタミンCを含有する系統が数多く得られる。交雑組み合わせの評価には、1組み合わせ当り30個体程度調査する必要がある。 |
キーワード | イチゴ、ビタミンC、遺伝様式、個体数 |
背景・ねらい | イチゴは果実中に抗酸化性物質として生体防御機構において重要な役割を担っているビタミンCを多く含有し、その供給源として意義が大きい。そこで、ビタミンC含量が安定して高い品種を育成するために、ビタミンC含量の遺伝様式を明らかにするとともに、効率的な選抜法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. ビタミンC含量は量的遺伝を示し、組み合わせによって実生集団の平均値が中間親と同程度の場合と集団中に両親より高い個体が数多くみられる場合がみとめられるので、品種間で異なる遺伝因子が含まれる可能性が示唆される。ビタミンC含量の広義の遺伝率は0.712~0.903と高い(表1および図1)。 2. 高含有品種間の組み合わせでは、正逆交配とも両親よりも高い側に多くの個体が分布し、優性効果がみとめられ、高ビタミンC含有系統を数多く得るためには高ビタミンC含有系統間の交配が有効である(表1および図1)。 3. 交雑組み合わせの優劣を評価するためには、1組み合わせあたり30個体程度の調査を行う(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 高ビタミンC含有品種の育成には、収穫期間を通じてビタミンC含量が安定して高い品種が育種素材として有用である。 2. ビタミンC含量と収量性との関係は十分に試験されていないので、今後検討が必要である。 3. 交雑組み合わせの優劣を詳細に調査するためには、収穫期間を通じた変動特性も併せて調査する必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 育種 いちご 品種 |