タイトル | 3種類の新規オオムギモチ性遺伝子の構造 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
斎藤彰 土門英司 武田和義(岡山大学) |
発行年度 | 2002 |
要約 | ウルチ性系統のモチ性遺伝子領域は5,190塩基対であり、既知モチ性遺伝子と110箇所の多型が認められた。モチ性人為突然変異系統では第5エクソン中にCからTへの塩基置換を生じており終止コドンとなっていた。在来モチ性系統は5'側非翻訳領域に418塩基対の欠失変異を生じていた。 |
キーワード | オオムギ、モチ性、遺伝子、構造、突然変異 |
背景・ねらい | オオムギ胚乳澱粉中のアミロースとアミロペクチンの比率は加工適性を左右する重要な形質である。イネと同様オオムギにおいても在来のモチ性変異体が知られており,その胚乳澱粉中のアミロースの比率は他の穀類のモチ性系統とは異なり2-10%の範囲にある。また近年,アミロースをまったく含まない人為突然変異体の作出が報告された。本研究では,日本産ウルチ性およびモチ性オオムギのモチ性遺伝子の構造を決定した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 20個のプライマーを使用して決定されたウルチ性系統(四国裸84号)の新規モチ性遺伝子領域は5,190塩基対であり,既知オオムギモチ性遺伝子との間で110箇所の多型が認められる(図1A)。 2. モチ性人為突然変異系統(四国裸97号)では第5エクソン中にウルチ性系統の第89番目のアミノ酸グルタミンを終止コドンへと変化させるCからTへの塩基置換を生じている(図1B)。 3. 在来モチ性系統(モチ麦D)では5'側非翻訳領域に418塩基対の欠失変異を生じており,それ以外の領域はウルチ性系統と完全に一致する(図1C)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. モチ性人為突然変異系統由来のモチ性遺伝子の点突然変異を識別するプライマーセットを利用することによって,PCRによりモチ性遺伝子を持つ個体を選抜することができる。 2. 在来モチ性オオムギ由来のモチ性遺伝子の欠失変異を識別するプライマーセットを利用することによって,PCRによりモチ性遺伝子を持つ個体を選抜することができる。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | 大麦 加工適性 |