タイトル | 酒造用好適米の水稲新品種候補系統「ちくし酒57号」 |
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担当機関 | 福岡県農総試 |
研究期間 | 1992~2002 |
研究担当者 |
濱地勇次 川村富輝 和田卓也 大里久美 今林惣一郎 安長知子 西山壽 吉野稔 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 酒造用好適米「ちくし酒57号」は、成熟期が「山田錦」より2日~3日程度早い“中生の中”である。「山田錦」と比較して、耐倒伏性は優れ、葉いもち圃場抵抗性は“やや強”とやや優れる。収量性、玄米品質は同程度、酒造適性は同程度である。 |
キーワード | 酒米、酒造適性、新品種、水稲、ちくし酒57号 |
背景・ねらい | 近年、米の消費量が低下している中で、米の需要拡大が緊急かつ重要な課題となっている。その一方で、県産米の消費拡大を図るためには、実需者や生産者から県独自の酒造用好適米品種の育成が強く要望されている。 そこで、酒造用好適米品種「山田錦」と比較して、同程度の酒造適性を有し、栽培特性が優れた品種を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1992年に「(中間母本農10号/山田錦)F1」を母、「ミヤコ95」を父として交配した組合せの中から育成した。「山田錦」と比較した特性は以下のとおりである。 1. 出穂期、成熟期は2日~3日程度早く、“中生の中”である(表1)。 2. 稈長は短く、穂長はやや短く、穂数はやや少ない“偏穂重型”である(表1)。 3. 耐倒伏性は優れ、穂発芽性は同程度の“易”である(表1)。 4. いもち病圃場抵抗性は葉いもちがやや優れる“やや強”、穂いもちが同程度の“中”である。白葉枯病圃場抵抗性は同程度の“中”である(表1)。 5. 収量性は同程度である(表1)。 6. 千粒重はやや軽い(表1)。 7. 心白米の発現率はやや少なく、その大きさは同程度である。玄米品質は同程度である(表1)。 8. 酒造適性は砕粒率がやや少なく、吸水性、直接還元糖、粗タンパク質含有率及びカリ含有率は同程度である(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 酒造用好適米品種として、山ろく地~平坦地に適する。 2. タンパク質含有率を高めないように、過度の施肥は行わない。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | いもち病 酒造好適米 需要拡大 消費拡大 新品種 水稲 施肥 抵抗性 品種 |