タイトル | 酒造用一般米の水稲新品種候補系統「ちくし58号」 |
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担当機関 | 福岡県農総試 |
研究期間 | 1993~2002 |
研究担当者 |
濱地勇次 大里久美 川村富輝 和田卓也 今林惣一郎 安長知子 西山壽 吉野稔 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 酒造用一般米(かけ米)「ちくし58号」は、成熟期が「ヒノヒカリ」より2日~3日程度早い“中生の早”である。耐倒伏性は“強”である。「レイホウ」と比較して、収量性は優れ、玄米品質はやや優れる。千粒重はやや重く、酒造適性はやや優れる。 |
キーワード | 酒米、酒造適性、新品種、水稲、ちくし58号 |
背景・ねらい | 近年、米の消費量が低下している中で、米の需要拡大が緊急かつ重要な課題となっている。その一方で、県産米の消費拡大を図るためには、実需者や生産者から県独自の酒造用一般米品種の育成が強く要望されている。 そこで、酒造用一般米品種「レイホウ」と比較して、収量性、酒造適性が優れた品種を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1993年に「北陸160号」を母、「夢つくし」を父とした組合せの中から育成した。「レイホウ」と比較した特性は以下のとおりである。 1. 出穂期、成熟期は「ヒノヒカリ」より2日~3日程度早い“中生の早”である(表1)。 2. 稈長はやや短く、穂長は同程度、穂数は少ない“偏穂重型”である(表1)。 3. 耐倒伏性は“強”、穂発芽性は“やや易”である(表1)。 4. いもち病圃場抵抗性は葉いもちが“やや弱”、穂いもちが“中”である。白葉枯病圃場抵抗性は“やや弱”である(表1)。 5. 収量性は優れる(表1)。 6. 玄米品質はやや優れる(表1)。 7. 千粒重はやや重い(表1)。 8. 酒造適性はやや優れ、砕粒率及び粗タンパク質含有率がやや低く、吸水性がやや早く、直接還元糖がやや多い(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 酒造用一般米品種として、山ろく地~平坦地に適する。 2. タンパク質含有率を高めないため、過度の施肥は行わない。 3. いもち病にやや弱いので、適期防除に留意する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 いもち病 酒造好適米 需要拡大 消費拡大 新品種 水稲 施肥 抵抗性 品種 防除 |