タイトル | 低アミロース米品種の生育特性とブレンド適性 |
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担当機関 | 福岡農総試 |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
佐藤大和 松江勇次 内村要介 尾形武文 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 低アミロース米品種のアミロース含有率は、登熟温度の違いによって変動し、変動幅の大きい品種と小さい品種が認められる。ベース品種「ヒノヒカリ」とのブレンド率別の食味は概ね25%が優れ、「コシヒカリ」と同程度の食味レベルまで向上する。 |
キーワード | 低アミロース米、アミロース含有率、登熟温度、食味、ブレンド |
背景・ねらい | 水稲低アミロース米品種が実需者の間で「単品」もしくは「ブレンド用」として注目されているが、低アミロース米品種の生育特性やブレンド比率別の食味評価は十分に明らかにされていない。そこで今後の地域産米の販路拡大を図る一環として、低アミロース米品種の生育特性およびブレンド適性を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 低アミロース米品種の出穂特性は極早生級が4品種(「彩」、「はなぶさ」、「スノーパール」、「ミルキークイーン」)、早生級が2品種(「ソフト158」、「北陸180号」)、中生が1品種(「柔小町」)である。耐倒伏性は「ミルキークイーン」は「コシヒカリ」と同程度に劣る。千粒重は概ね21g前後であるが、「スノーパール」と「北陸180号」は23gレベルで重い。収量性は「柔小町」が最も優れ、次に「ソフト158」、「北陸180号」が優れ、「はなぶさ」、「彩」は劣る(表1)。 2. 低アミロース米品種のアミロース含有率は、登熟温度(出穂後20日間の平均温度)と負の相関関係を示し、変動幅が「ミルキークイーン」は7.2~10.0%と小さく、「柔小町」は6.2~17.4%と大きい(図1)。 3. 低アミロース米品種(「はなぶさ」を除く)と「ヒノヒカリ」とのブレンド比率別食味評価は、ベース品種「ヒノヒカリ」に比べて、低アミロース米品種のブレンド率が25%で主として粘りが増して、総合評価が優れ、「コシヒカリ」と同程度の食味レベルまで向上する。一方、50%では粘りすぎともち臭により総合評価は劣る(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 低アミロース米品種を導入する場合の栽培法の基礎的知見として活用できる。 2. 一般飯米用品種の食味向上を目的とした低アミロース米品種によるブレンド技術として活用できる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 水稲 品種 良食味 |