タイトル | 高カリウム摂取の妊娠末期乳牛への塩化マグネシウム添加によるミネラル代謝改善 |
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担当機関 | 鹿児島県畜試 |
研究期間 | 2000~2001 |
研究担当者 |
児島浩貴1) 寺脇志朗 上宮田正己2)大島農業改良普及センター 2) 森浩一郎 長野京子 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 乳牛の妊娠末期に陰イオン添加剤として塩化マグネシウム(MgCl2)を用いることでKの尿中排泄が促進され、Mgの損失防止効果が期待できる。また、MgCl2添加区の尿pHは低下傾向を示しカチオンアニオンバランス(DCAD)の効果が得られた。 |
キーワード | 乳牛、妊娠末期、高カリウム、陰イオン添加剤、塩化マグネシウム |
背景・ねらい | ふん尿等の過剰な土地還元・施用に伴う給与飼料からの過剰なカリウムの摂取は乳牛の周産期における代謝病の増加の原因の一つとなっている。 そこで、各種代謝病の発生を抑制しつつ効率的な乳生産を確立するため、乳牛の妊娠末期の過剰なカリウム摂取が主要ミネラルの出納及び血液の動態に及ぼす影響について検討した。また、カリウムの過剰摂取に伴う対策としてカチオンアニオンバランス(DCAD)の効果についても併せて検討し、分娩前のバランスのとれたミネラル給与方法を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 主要ミネラル出納では、MgCl2添加区は、過剰なカリウム(K)の尿中排泄促進によりK蓄積量が低下した(表1)。 2. マグネシウム(Mg)蓄積量についてはMgCl2無添加区では体内消失を示す負であったのに対し、添加区は正を示したことによりMgの損失防止への効果が期待できた(表1)。 3. 高K飼料給与区の尿pHは、分娩直前までほぼ変化が見られなかったもののMgCl2添加区及び低K飼料給与区は、低下傾向を示した(図1)。 4. 高K区では、血中カルシウム(Ca)濃度に差は認められなかったものの、分娩直前後の血中副甲状腺ホルモン(PTH)濃度が高い傾向にあった(図2、図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. Mg含む陰イオン添加は、Mg損失防止効果が得られ周産期病予防対策として活用できる。2.比較的容易に測定できる尿pHは、ミネラル代謝改善に必要なDCAD値レベルの判定に有用である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 乳牛 |