タイトル | 乳用牛スラリーの簡易処理による臭気低減 |
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担当機関 | 鹿児島県畜産試験場 |
研究期間 | 2000~2003 |
研究担当者 |
岩村 英俊 高木 良弘 森永 弘文 生駒 エレナ |
発行年度 | 2002 |
要約 | 乳用牛スラリーの貯留槽に水中ポンプを設置し,圃場還元時の悪臭を低減させるための検討を行ったところ,6時間おきの間欠運転により臭気を低減することができた。また,水中ポンプの稼働によりスラリーの粘度は低くなり,物理性の改善効果も見られた。但し,悪臭拡散の防止のため貯留槽をいったん空にするなどの工夫が必要である。 |
キーワード | 乳用牛スラリー,臭気低減,簡易処理,水中ポンプ,間欠運転 |
背景・ねらい | 酪農家で自然流下式牛舎のスラリー貯留槽内に水中ポンプを設置し,スラリーを循環させることにより,臭気を低減させるとともに物理性を改善する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 3.7Kwの安価な水中ポンプを150~200m3のスラリー貯留槽に投入し,2時間おきの間欠運転および6時間おきの間欠運転をしたところ,スラリーのpHは6時間おきの運転で顕著に上昇し,また水中ポンプの稼働により粘度が低下する(表1,表2)。水中ポンプ利用の簡易循環処理で,スラリー表面にできるスカムも無くなり,生じる泡は少量であふれるようなことはない。 2. 水中ポンプを設置した貯留槽の上部で臭気について,2時間おきの間欠運転においては処理途中の臭気指数が上昇したが,6時間おきの間欠運転では処理前の臭気指数を上回らず,徐々に低減する(表1,表2)。 3. 6時間おきの間欠運転を行ったところでは,処理前の圃場還元臭気よりも臭気指数が半減している(表3)。 4. 複数の農家の圃場においてスラリーを散布した直後にフードをかぶせ臭気を採集したところ,未処理のスラリーの圃場還元臭気よりも水中ポンプなどを利用した簡易処理をすることにより圃場還元時の臭気指数は低い傾向にある(表3)。 5. 水中ポンプに係るランニングコストは電力量料金が1Kw時に12円とすると 3.7(Kw)×12円×12時間/日×30日=15,984円 となり,月約2万円となる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 水中ポンプ稼働時に臭気が拡散されるため,処理前に貯留槽を一度空にするなど,貯留槽内のスラリー量が少なく,なるべく嫌気発酵が進んでいないうちから稼働することが望まれる。 2. 嫌気的に停滞しないように水中ポンプを稼働循環し,1日で貯留槽の容積程度の循環量を確保することが望ましい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | コスト 乳牛 |