タイトル | 採卵鶏における市販サルモネラワクチンの効果的な接種時期とその回数 |
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担当機関 | 佐賀県畜産試験場 |
研究期間 | 2001~2002 |
研究担当者 |
阿武 央子 石橋 英二 石橋 明 岩永 致悦 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 市販サルモネラ(Salmonella Enteritidis;SE)ワクチンによるSE定着抑制効果は接種回数が多く、接種時期が遅い方が高まり、それによる産卵能力の向上および経済性の向上が認められる。 |
キーワード | 採卵鶏、サルモネラ、Salmonella Enteritidis(SE)、ワクチン |
背景・ねらい | 消費者の食品に対する安全性の関心は高く、中でも、SEによる食中毒は減少することなく、原因食品として鶏卵が挙げられることも多い。このようなことから、鶏卵の安全性は生産維持と消費拡大を図るうえでも重要な課題となっている。 そこで、SE対策に有効と思われるSEワクチンの2種類(ワクチンA;12週齢以上の採卵鶏に1回接種、ワクチンB;5週齢以上の採卵鶏に4週間隔で2回接種)に注目し、ワクチンA、Bの効果的、経済的接種時期および回数を調査し、また手間も考慮した接種方法についても検討する(表1)。 |
成果の内容・特徴 | 1. SE抗体の持続性(SE抗体の検査方法としてELISA法があるが、ここではひな白痢急速診断用菌液を用いた急速凝集反応陽性率で示す)は、急速凝集反応陽性率において、ワクチン無接種区が0%であるのに対し、ワクチン接種区では接種2~4週間後にピークとなり、その後漸減し、横ばい状態となり、20~50%を維持できる(図1)。 2. 急速凝集反応陽性率で横ばい状態となっている45週齢での攻撃試験[外部委託;菌液をそ嚢内に投与(攻撃)後3、7、14日目に盲腸便を採取し、希釈等を行い培地で培養しコロニー数をカウント、盲腸便1g当たりの生菌数(CFU)を求める]では、SE攻撃後14日目において、無接種区でSEが検出される他は、ワクチンを接種した全ての区でSEは検出されず、ワクチン接種により腸管内にSEの定着を抑制する効果が認められる(図2)。 3. ワクチン無接種区と比べ接種区では、産卵率、産卵日量等がよくなる傾向にあり(表2)、経済性でも、ワクチン接種区の方が粗収益はよい(表3)。 4. ワクチンを接種した区の中で、B-12,16がSE攻撃後3日目からの生菌数が少ないことから、ワクチンの接種回数が多く接種時期が遅い方がSE定着抑制効果は高まるが、経済性を考慮すると、B-6,10が最もよい。さらに手間を考慮するとA-12も実用的である。 |
成果の活用面・留意点 | サルモネラ対策にワクチン接種は効果的であるが、より高度なサルモネラ対策には従来の対策(CE剤、有機酸等)と併用することがより有効である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
カテゴリ | サルモネラ対策 消費拡大 鶏 |