タイトル | 露地抑制インゲンマメの一斉収穫栽培体系 |
---|---|
担当機関 | 鹿児島農試 |
研究期間 | 1997~2001 |
研究担当者 |
中尾知子 別府誠二 東郷弘之 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 露地抑制インゲンマメの一斉収穫栽培は、労力2人では8月中旬から9月中旬まで1週間間隔で5~6回、2aづつ播種し、播種後60日過ぎから1播種期分を3回に分けて、一斉に収穫することにより、収穫作業の省力・軽労化が図られ、多収、高収益が可能となる |
キーワード | インゲンマメ、露地抑制作型、一斉収穫、栽培体系 |
背景・ねらい | 露地抑制インゲンマメの栽培は、台風被害や生育前半の高温により、生育が抑制され茎葉の繁茂も少なく、そのため収穫期間が短くなり、連続的に収穫する慣行栽培では十分な収量が得られない。また、収穫作業も中腰からしゃがみ姿勢が多く作業負荷が大きい。そこで、収穫作業の省力・軽労化が可能で、多収となる一斉収穫による栽培体系を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 播種期は8月中旬から9月中旬とし、1週間間隔で行う(図1、表1)。 2. 一斉収穫で得られる商品果収量は、1播種期当たり140~190kg/a(平均165kg/a)である(表1)。 3. 一斉収穫でM~L規格の収量が多く得られる収穫時期は、播種後62~70日である(図1)。 4. 労力1人で1日当たり収穫できる面積は0.34aで、1回の播種で3回収穫するとしたら、労力2人で収穫できる1回の播種面積は2.0aである(表1)。 5. 2aづつ6回播種することで、10月中旬から11月下旬まで収穫でき、10アール当たり1,640kgの収量が可能であり、慣行1回播種の650kgより大幅な増収となる(表2、表3)。 6. 一斉収穫での収穫労働時間は、10アール当たりでは210時間となり、収穫量が増加する分慣行の152時間より多くなるが、キロ当たりでは慣行より大幅に減少する(表2、表3)。 7. 10アール当たり所得は、一斉収穫は552,000円となり、慣行の94,000円より5倍以上の収益増となる(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 品種は「KB710-29」、栽植密度は1500株/a(畦幅175cm、株間15cm、条間30cm)での結果である。 2. 地温昇温抑制効果の高いフィルムによるマルチ栽培を行い、1穴に2~3粒播種し生育が揃った時点で1株にする。 3. 株の倒伏防止のために、キュウリネット等を水平張りする。 4. 一斉収穫は、株全体を引き抜くか株元から切断して行う。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | いんげんまめ きゅうり 軽労化 栽培体系 播種 品種 |