夏秋ギク「岩の白扇」の葉身汁液窒素栄養診断での最適葉位と診断指標

タイトル 夏秋ギク「岩の白扇」の葉身汁液窒素栄養診断での最適葉位と診断指標
担当機関 佐賀農業セ
研究期間 2000~2004
研究担当者 福田敬
松村 司
三好利臣
山口祐輔
発行年度 2002
要約 夏秋ギク「岩の白扇」の葉身汁液による窒素栄養診断には、下位葉(下位6~10葉)が適当である。葉身汁液中の硝酸イオン濃度は、消灯前までは3000~6000ppm程度、それ以降は6000ppm程度を目安に施肥管理を行う。
キーワード キク、「岩の白扇」、葉身汁液、硝酸イオン濃度、窒素栄養診断
背景・ねらい 迅速な診断技術の一つである汁液による栄養診断では、キクの特性を踏まえた試料採取位置の決定が不可欠である。そこで、施肥量や灌水量等の肥培管理がキクの生育及び葉身汁液中硝酸イオン濃度に及ぼす影響について検討し、葉身汁液による窒素栄養診断のための最適葉位と適正濃度を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
葉身汁液中の硝酸イオン濃度には、生育全般にわたり、上位葉に対し下位葉になるほど高くなる特徴がある(図1)。
2.
葉身汁液中の硝酸イオン濃度は、窒素減肥率に応じて推移し、窒素栄養診断に用いる葉位としては、葉位間にその差が顕著に現れている下位葉(最下位葉から上方向に数えて6~10葉:図内矢印)が適当である(図1)。
3.
キクの生長に伴い、下位葉の硝酸イオン濃度は、消灯前(定植後40~50日程度)までは顕著に上昇し、その後は緩やかに推移するパターンを示す(図2)。
4.
適正な切り花形質が得られる場合の葉身汁液中硝酸イオン濃度は、消灯前は3000ppm以上、それ以降は6000ppm以上である(表1、図2)。
成果の活用面・留意点 1.
夏秋ギク「岩の白扇」における安定生産のための簡易窒素栄養診断に活用できる。
2.
診断に用いる葉身は株当たり5枚で、中庸な株4株分の計20枚を用いるが、診断葉位(下位6~10葉)の老化が著しい場合は、その上の下位11~15葉を用いる。また、診断のための葉身採取は晴天時の午前中に行う。
3.
葉身汁液の抽出は、試料(葉身)を細断し、その一定量(5g程度)に蒸留水(100ml)を添加して、乳鉢上で磨砕後ろ過する。ろ過抽出液中の硝酸イオン濃度は、小型反射式光度計(RQフレックス)で測定可能であり、小型反射式光度計測定値=1.1518×精密分析値(イオンクロマトグラフ測定値)R2=0.9403**の関係がある。
4.
窒素不足によって、明らかに切り花形質が劣る場合の下位葉の硝酸イオン濃度は、消灯前で2000ppm以下、消灯後4000ppm以下であるので留意する(表1、図2)。
図表1 222269-1.gif
図表2 222269-2.gif
図表3 222269-3.gif
カテゴリ 肥料 栄養診断 きく 栽培技術 診断技術 施肥 肥培管理

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