タイトル | 水分センサーを利用した杉バーク培地イチゴ高設栽培のかん水技術 |
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担当機関 | 大分農技セ |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
大窪 恵美子 小野 忠 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 杉バークを利用したイチゴ高設栽培で、培地表層10cmのパーライト混和、または給液マット敷設を行い、水分センサーでpF1.5をかん水開始点として100ml/株/回のかん水を行うと、タイマーかん水方式に比べて排液量が削減され、収量、品質が向上する。 |
背景・ねらい | 杉バークを培地に利用した大分方式のイチゴ高設栽培では、培地量が少なく保水性が小さいため、現地では必要以上のかん水が行われる傾向にあり、排液量が多くなりやすく、環境への影響が懸念される。そこで、排液量を削減するための培地の水分管理技術として水分センサーとタイマーを併用したかん水技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. pFかん水方式は、水分センサーとタイマー(日中のみ毎時刻かん水設定)を併用し、これらが同時出力状態となった時に100ml/株/回をかん水する。慣行のタイマーかん方式は1日2~3回、定時に100ml/株/回をかん水する。 2. 大分方式のイチゴ高設栽培において培地水分をpF1.6以上で栽培すると、チップバーンが発生しやすい。また、杉バークの含水量はpF1.5前後で大きく変化する。これらのことを考慮して、pFかん水方式のかん水開始点はpF1.5とする(データ略)。 3. pFかん水方式では培地中の水分ムラの発生が懸念されるため、培地表層10cmにパーライトを容積比で20%混和するか、給液マットを敷くと、培地水分は均一に保たれる(図1)。培地中の水分ムラ防止のために混和する資材は、浸潤性の試験をした結果、パーライトが最も適する(データ略)。 4. pFかん水方式のかん水量は日射量に応じて変動するため、イチゴ栽培期間におけるpFかん水方式のかん水量はタイマーかん水方式の約半分に、排液量は約10%前後に減少した(図2、3)。 5. pFかん水方式の方がタイマーかん水方式より着果数が多く、収量が高い(図4)。また、可販率も高く、糖度や硬度等の果実品質においても、pFかん水方式がタイマーかん水より高い(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. イチゴ高設栽培大分方式に適用する。 2. 水分センサーは、ハウス内の培地が最も乾燥しやすい場所を選び、かん水チュ-ブと株の中央の位置に、受感部の中央が深さ5cmになるように設置する。 3. 水分センサーは、気密性やゼロ点の位置等の調整に十分留意する。 4. 従来の施設にpFかん水方式を設置する場合ではセンサー等で5万円程度の費用がかかる。さらにパーライトを上層10cmに2割混和した場合7万円/10a程度必要となる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | いちご 乾燥 管理技術 |