長崎県型イチゴ高設栽培の軽労化効果と収益性

タイトル 長崎県型イチゴ高設栽培の軽労化効果と収益性
担当機関 長崎県総合農林試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者
発行年度 2002
要約 長崎県型イチゴ高設栽培の労働時間は2,298時間/10aで、地床栽培より6%少ない。「作業姿勢区分ごとの評価点」によれば、高設栽培は大幅な軽労化効果がある。高設栽培の農業所得率は地床栽培より7.7ポイント低下し、単位当たり生産販売費は地床栽培に比べ4%高いが、労働費は91%に削減される。
キーワード 長崎県型イチゴ高設栽培、地床栽培、作業姿勢区分、軽労化
背景・ねらい 近年、イチゴ栽培では長崎県型イチゴ高設栽培システムが導入されている。そこで、高設栽培と地床栽培を導入している同一のイチゴ栽培農家の調査データに基づき、十分解明されていない高設栽培の省力・軽労化効果と収益性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 高設栽培の10a当たりの労働時間は、地床栽培の94%に削減される。作業別労働時間では、定植、マルチ張り、下葉・果房処理、玉出し・葉除けで地床栽培の約60%に大きく短縮され、病害虫防除、収穫、ハウス管理では90%程度に短縮される。逆に、定植準備、後片付けの時間は増加する(表1)。
  2. 各作業を「作業姿勢区分ごとの評価点」(図1)で点数化すると、高設栽培の作業姿勢は地床栽培の評価点6のほとんどの作業が評価点4に減点し、重作業の軽労化が明確にあらわれる(表2)。
  3. 経営収支は、軽労化効果を反映させるため労働を軽作業と重作業に区分して行った。高設栽培の10a当たり粗収益は、地床栽培とほぼ同水準である。高設栽培の経営費は2,948千円/10aで、地床栽培に比べ18%高い。高設栽培の10a当たり所得は、地床栽培より13%低く、農業所得率は46.6%となり7.7ポイント低下する(表3)。
  4. 単位当たり生産販売費は高設栽培が867円で、地床栽培の830円に比べ4%高く、特に減価償却費が、地床栽培の2.7倍となる(表3)。
  5. 高設栽培の労働費は、時間短縮と軽労化により地床栽培に比べ91%に削減される(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. イチゴ高設栽培の推進を図る際の資料として活用できる。
  2. 長崎県型イチゴ高設栽培システムは、温湯を配管した高さ80cmの高設ベンチで栽培するものである。
図表1 222297-1.gif
図表2 222297-2.gif
図表3 222297-3.gif
図表4 222297-4.gif
図表5 222297-5.png
図表6 222297-6.png
図表7 222297-7.png
図表8 222297-8.png
カテゴリ 病害虫 いちご 経営管理 軽労化 栽培技術 病害虫防除

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