パインアップル未利用部分の総合利用

タイトル パインアップル未利用部分の総合利用
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2001~2003
研究担当者
発行年度 2003
要約 パインアップルの過熟果は機能性果実酢、葉はポリフェノール類抽出原料、果芯・果皮は機能性食物繊維としての総合利用が可能である。
背景・ねらい 沖縄地域の重要な作物であるパインアップルの搾汁残渣は技術開発の遅れから、必ずしも完全利用化が図られていない。パインアップル未利用部分の有効利用可能性について検討し、総合利用法を提案する。
成果の内容・特徴
  1. パインアップル過熟果、茎葉さらに果実の加工残渣(果芯および果皮)の総合利用法を図1に示す。
  2. 過熟果の搾汁液から製造した果実酢は、パインアップルの微香がありポリフェノール含量及びラジカル消去能も市販の酢に比べて遜色ない(図2)。
  3. 果芯、果皮及び茎凍結乾燥粉末は5種のビフィズス菌の増殖を促進する。特に果芯は強い活性を示す。果芯および果皮は整腸作用など機能性食物繊維として利用可能である(表1)。
  4. パインアップル葉は3,4,5-トリカフェオイルキナ酸(約6.4mg/100g凍結乾燥粉末)を含有している。この成分は、抗エイズ活性等の各種薬理活性がインビトロで証明されており、薬や機能性成分素材などの原料としての利用が期待できる(表2)。
  5. 葉からポリフェノールを抽出した後の残渣はパルプを混入することにより生分解性資材(パインアップル葉の抽出残渣は60%まで混入可)が製造可能である(データ省略)。
成果の活用面・留意点
  1. パインアップル未利用部分の有効利用に関する資料として活用できる。
  2. 過熟果から果実酢を製造する際、適切な酢酸菌を選択する必要がある。
  3. 果芯や果皮の凍結乾燥粉末はブロメリン(蛋白質分解酵素)が含まれており、消化酵素含有食物繊維として利用可能である反面、蛋白質食品に混入して利用する場合は、酵素の失活処理が必要である。
  4. 当総合利用法は実験室レベルでの提案であり、収益性などについてはパイロットプラントによる実用化に向けた研究が必要である。
図表1 222352-1.jpg
図表2 222352-2.jpg
図表3 222352-3.jpg
図表4 222352-4.jpg
カテゴリ 加工 乾燥 機能性 機能性成分

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