刈り取り時期が異なるイタリアンライグラスサイレージを用いたTMR(混合飼料)給与泌乳牛の乾物摂取量と乳量

タイトル 刈り取り時期が異なるイタリアンライグラスサイレージを用いたTMR(混合飼料)給与泌乳牛の乾物摂取量と乳量
担当機関 福岡農総試
研究期間 2000~2002
研究担当者
発行年度 2003
要約 刈り取り時期が異なるイタリアンライグラスサイレージを用い、総繊維含量を同水準に設計したTMR(混合飼料)を泌乳牛に給与した場合、出穂期刈りは開花期刈りに比べて乾物摂取量が約1割増加し、乳量は乳成分が同等でほぼ1割増加する。
キーワード TMR(混合飼料)、泌乳牛、乾物摂取量
背景・ねらい 泌乳牛における給与TMR中のNDF(総繊維)は、乾物摂取量が最大となり第一胃性状が安定する35~38%程度に設計するのが一般的である。最近、粗飼料のみの乾物摂取量は繊維の消化性を示す低消化性繊維(Ob)と関係が深いことが注目されており、繊維の消化性までを考慮した給与技術の開発が望まれている。そこで、イタリアンライグラスサイレージを用いた給与TMRの総繊維含量を同水準にして、出穂期刈りを用いたTMR(出穂期TMR)と開花期刈りを用いたTMR(開花期TMR)を泌乳牛に給与し、泌乳中後期牛の乾物摂取量及び乳量、乳成分に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. イタリアンライグラスの出穂期と開花期のObはそれぞれ37.1%、54.1%と、出穂期は開花期より少なく消化性が良い(表1)。
  2. 両サイレージを用いてTMRをTDN、CP、NDF、OCWが同じになるように調製し(表2)、乳牛に給与すると、出穂期TMRは開花期TMRに比べて乾物摂取量が約1割増加し、泌乳成績では乳成分に差がないものの乳量が約1割増加する(表3)。
  3. また、乾物消化率やTDN充足率においても出穂期TMRは開花期TMRに比べて高くなる傾向がある(表3)。
  4. 第一胃性状について、原虫数では開花期TMRが出穂期TMRに比べて多いものの、酢酸/プロピオン酸比とpHはほぼ同程度であり、両区とも正常である。また、血液成分についても同程度で正常値の範囲にある(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 泌乳牛に対するTMRの飼料設計に活用できる。
  2. 早刈り使用には硝酸態窒素含量に留意する。
図表1 222365-1.jpg
図表2 222365-2.jpg
図表3 222365-3.jpg
図表4 222365-4.jpg
カテゴリ イタリアンライグラス 飼料設計 乳牛

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