肥育豚からの環境負荷物質排泄量を低減させる飼料の効果

タイトル 肥育豚からの環境負荷物質排泄量を低減させる飼料の効果
担当機関 沖縄畜試
研究期間 2001~2003
研究担当者
発行年度 2003
要約 リン、銅および亜鉛含量を減らしたアミノ酸添加低タンパク質飼料にフィターゼおよびセルラーゼ等の酵素を添加し、これらを肥育豚に給与すると生産性を維持しつつ、窒素、リン、銅および尿量の排泄量を低減することができる。
キーワード ブタ、家畜ふん尿、窒素、リン、銅、亜鉛、フィターゼ
背景・ねらい 近年、県内養豚農家の飼養規模の拡大により1戸当りからの家畜ふん尿発生量が増大しつつある。また、水質汚濁防止法における窒素、リン濃度等排水基準値の改正や肥料取締法の一部改正による銅、亜鉛等肥料成分表示の義務付けによりふん尿の処理がますます困難なものとなってきており、環境負荷物質排泄量を低減しつつ良質な豚肉生産を行う技術の開発が望まれている。そこで、リン、銅および亜鉛含量を減らしたアミノ酸添加低タンパク質(低CP+AA)飼料にフィターゼおよびセルラーゼ等の酵素を添加した飼料(低減飼料)を肥育豚に給与し、生産性および窒素、リン、銅および亜鉛等の環境負荷物質排泄量を同時に低減する効果について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 豚からの環境負荷物質排泄量を同時に低減させる低減飼料は、肥育前期(30~70kg)用および肥育後期(70~110kg)用ともに、通常飼料である対照飼料に比べ、リン、銅、亜鉛およびCP含量を減らし、不足するアミノ酸、フィターゼ500単位/kgおよびセルラーゼ主体酵素0.5%を添加し配合する(表1)。
  2. 低減飼料を肥育(前期)豚に給与すると、通常の飼料に比べ窒素、リンおよび銅排泄量をそれぞれ21、23および79%低減することができる。また、ふん、尿および亜鉛排泄量は有意差は認められないものの低減する傾向にある(表2)。
  3. 低減飼料を肥育豚に30kgから出荷時まで給与すると、対照飼料を給与した豚に比べ飼料摂取量、1日平均増体重、飼料摂取量に有意差はなく、生産性への影響は認められない。また、背脂肪厚は、有意差は認められないものの薄くなる傾向が認められる(表3)。
  4. 通常の飼料(CP17%)を給与した豚に比較して、CP含量を下げ不足するアミノ酸(リジン、メチオニン、トレオニン)を添加した低CP+AA飼料(CP13%)を給与した豚では飲水量(23%)および尿排泄量(15%)が低減する(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 肥育豚用飼料設計の技術資料として利用できる。
  2. 自家配合する場合は、酵素等が均一になるように混合する。
図表1 222374-1.jpg
図表2 222374-2.jpg
図表3 222374-3.jpg
図表4 222374-4.jpg
カテゴリ 肥料 出荷調整 飼料設計

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