シコリ発症牛の血中ビタミンA濃度,飼料摂取量および血液性状

タイトル シコリ発症牛の血中ビタミンA濃度,飼料摂取量および血液性状
担当機関 鹿児島畜試
研究期間 2002~2005
研究担当者
発行年度 2003
要約 シコリ発症牛では、肥育前中期に血中ビタミンA(VA)濃度が低く、肥育中期の血中VA濃度低下時の飼料摂取量および血中のアルブミン(ALB)、総タンパク質(TP)、総コレステロール(T-CHO)、Ca、Na、K、Clは低下する。これらは、ズル発症牛と類似している。
キーワード 肉用牛、シコリ、血液性状
背景・ねらい 近年、枝肉の価値に影響するシミ、ズル、シコリ等の瑕疵発生割合が増加し、問題となっている。シコリは、一見すると脂肪交雑の進んだ状態に見えるが、シコリ部分は固いため廃棄され枝肉単価に大きく影響する。また、シコリの原因については不明な点が多く、現段階では明らかになっていない。そこで、シコリと判定された3頭と正常牛5頭の保存血液を用い、血中VA濃度、飼料摂取量、血液生化学的検査について調査し、シコリ発生の要因を明らかにする。
成果の内容・特徴 供試牛8頭については、肥育期間18ヶ月(7~24ヶ月齢)とし、飼料を含めた飼養管理方法は同一であり、肥育中期(13~21ヶ月齢)にVAコントロールを実施している。
  1. シコリ発症牛の血中VA濃度は、非発症牛と比較して肥育前期および中期において有意に低い時期(P&st;0.05)がある(図1)。
  2. シコリ発症牛の濃厚飼料摂取量は、非発症牛と比較して血中VA濃度低下時期に有意に低下(P&st;0.01)している(表1)。
  3. シコリ発症牛は非発症牛と比較して、血中VA濃度低下時期に総タンパク質(TP)、総コレステロール(T-CHO)が有意に低下(P&st;0.05)しており、アルブミン(ALB)が低下傾向(P<0.1)を示している(図2、図3、図4)。
  4. また、同時期に、Ca、Na、K、Clが低下する傾向が見られる(図5、図6、図7、図8)。
    これらの結果は、甫立らの「ビタミンA欠乏による筋肉水腫(ズル)の発症機構」に関する報告のなかで示しているズル発症牛の血中VA濃度、飼料摂取量および血液性状の結果と類似している。
成果の活用面・留意点
  1. 枝肉の瑕疵(シコリ)低減技術の参考になる。
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カテゴリ 飼育技術 肉牛

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