タイトル |
重粘土転換畑での促成トマトのかん水施肥栽培における最適施肥・灌水量 |
担当機関 |
佐賀農業セ |
研究期間 |
2000~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2003 |
要約 |
有明海沿岸部重粘土壌転換畑での促成トマトのかん水施肥栽培は、有効土層からの豊富な養水分の吸収により、窒素施肥量6~12kg/10a、灌水量12~24t/10aで慣行施肥栽培と同等の収量・品質が確保できる。
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キーワード |
有明海沿岸、重粘土、転換畑、促成トマト、かん水施肥栽培
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背景・ねらい |
現在、施設栽培では、生産費の低減、省力化、高品質化、環境保全が求められ、これらに応える栽培技術の一つにかん水施肥栽培が挙げられる。本県でも、有明海沿岸部に広がる低平地の重粘土地帯では、施設栽培が盛んであり、その導入にあたっては低平地の特徴を考慮した栽培管理技術の確立が望まれるが、検討事例は少ない。そこで、主要品目である促成トマトにおいて、土壌養水分との関係を調査解析し、かん水施肥栽培における施肥量・灌水量を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 有明海沿岸部重粘土地帯では、畑転換の際の排水対策(明・暗渠の設置、良質な盛土による嵩上げ)により、排水性が優れ、肥沃な有効土層が確保される。トマトの直根は深さ80cm以上まで伸長し、有効土層全体に細根が分布する(図1)。
- トマトの吸水量(収量20t/10a)は約660t/10aと推定されるが、地下水由来の土壌水分からの吸水がほとんどである。また、吸水に伴うトマトの地下水由来の窒素吸収は約1kg/10a程度と僅かである(図2)。
- トマトの根域全体に供給される窒素量は、作付前の土壌窒素残存量で12kg/10a、土壌窒素無機化量で31kg/10a、地下水由来の吸水から約1kg/10a、計44kg/10a程度であり、必要な窒素吸収量37kg/10a程度(収量20t/10a)を上まわる(表1)。
- かん水施肥栽培は、窒素施肥量6~12kg/10a、灌水量12~24t/10aの少施肥・少灌水量で、慣行施肥栽培と同等の収量・品質を確保できる(表2)。このとき、葉柄汁液中の硝酸イオン濃度は、12~2月で2000~4000ppm、3~4月で1000~2000ppmで推移する(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 有明海沿岸部に位置する重粘土地帯転換畑での促成トマトのかん水施肥栽培に活用できる(品種:「ハウス桃太郎」)。
- トマトが吸収する養水分は、土壌から供給される量が多いため、地力の維持管理に努めるとともに、排水対策等が大きく異なる土壌条件によっては、リアルタイム栄養診断(図3の適正濃度参照)に基づき施肥量の適正化に努める。
- 葉柄汁液によるリアルタイム栄養診断では、ピンポン玉程度に肥大した果房側近の葉柄を用い、ニンニク搾り器等で搾汁し、搾汁液を希釈して小型反射式光度計で測定する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
栄養診断
栽培技術
施設栽培
省力化
施肥
トマト
にんにく
排水性
品種
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