タイトル |
高タンパク質、醤油醸造用の小麦品種「ミナミノカオリ」 |
担当機関 |
大分農技セ |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
「ミナミノカオリ」は「農林61号」に比べ2日早生で、タンパク質含有率が1.8ポイント高く、醤油醸造に適することから、平坦地向け醤油醸造用品種として奨励(認定)品種に採用する。
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キーワード |
奨励品種、ミナミノカオリ、高タンパク質、醤油醸造用
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背景・ねらい |
大分県では、平成15年産の小麦作付け面積が平成9年産から約2,000ha拡大し、3,440haとなっており、めん用小麦の急激な作付け増加により需給のミスマッチを生じている。一方、本県には小麦を原料とする醤油醸造業が立地し、これらの業者からタンパク質含有率が13%以上の小麦が求められている。そこで醤油醸造原料用小麦の供給を目的に、タンパク質含有率が高い小麦品種を選定する。
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成果の内容・特徴 |
「ミナミノカオリ」は「農林61号」と比較して以下のような特徴がある。
- 出穂期、成熟期は1~2日程度早いやや早生~中生品種である(表1)。
- 褐ぷで稈長は7cm程度短く、穂長はやや短い。穂数は同程度で耐倒伏性は強い(表1)。
- 子実重は5%低く、容積重・千粒重は重い(表1)。
- 外観品質は硬質小麦品種の特性として開溝、しわ粒が発生する(表1)。
- 赤かび病、うどんこ病の発生は同程度である(表1)。
- めん用軟質小麦より硬質粒が多く、タンパク質含有率は1.8ポイント高く、醤油醸造用に適する(表1)。現地でも同様にタンパク質含有率は高い(表2)。
- 出穂後5~10日に窒素成分で0.6kg/a追肥すれば醤油醸造用に適するタンパク質含有率13%以上を確保することができる(表1)。
- 醤油の旨みであるグルタミン酸含量とタンパク質含有率との間に高い正の相関(R2=0.912※※)が認められた(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 穂発芽性がやや易なので、適期収穫する。
- めん用小麦と外観品質が異なるので、異品種の混入を避けるため作付けは団地化する。
- 赤かび病に弱いので防除を徹底する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
うどんこ病
硬質小麦品種
小麦
しわ粒
品種
防除
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