オオムギ縞萎縮ウィルスIII型系統に抵抗性を持つ「九州二条17号」の熊本県における特性

タイトル オオムギ縞萎縮ウィルスIII型系統に抵抗性を持つ「九州二条17号」の熊本県における特性
担当機関 熊本農研セ
研究期間 2002~2003
研究担当者
発行年度 2004
要約 二条大麦「九州二条17号」は、奨励(認定)品種「ミサトゴールデン」より出穂期が3日、成熟期が3日遅いが、オオムギ縞萎縮ウィルスIII型系統に抵抗性を有し、精麦品質が良く、焼酎醸造適性も同等であるため、熊本県で認定品種に採用する。
キーワード 二条大麦、オオムギ縞萎縮ウィルスIII型系統、抵抗性、焼酎醸造用、奨励品種
背景・ねらい 熊本県における食糧用二条大麦の主力品種は「ミサトゴールデン」で、その主な用途は焼酎醸造用である。「ミサトゴールデン」は主に菊池地域で作付されているが、近年オオムギ縞萎縮ウィルスIII型系統が菊池地域で発生し、年々被害ほ場が拡大している。しかし、熊本県の他の二条大麦品種である「ニシノホシ」と「ニシノチカラ」はIII型系統に対する抵抗性を有していない。そこでオオムギ縞萎縮ウィルスIII型系統に抵抗性を有し、「ミサトゴールデン」と同程度以上の栽培特性・焼酎加工適性を持つ品種を選定する。
成果の内容・特徴 「九州二条17号」は福岡県農業総合試験場において、「九州二条11号」と「栃系225」との交配から育成された大麦であり、「ミサトゴールデン」と比較して以下の特性がある。
  1. 出穂期、成熟期とも3日程度遅い(表1、表2)。
  2. 稈長は短く、穂長は長く、穂数は同程度かやや少ない。耐倒伏性は優る(表1、表2)。
  3. オオムギ縞萎縮ウィルスIII型系統に対する抵抗性は優れ、生育期間中発生は全く見られない(表2、表4)。うどんこ病、赤かび病に対する抵抗性は同程度である(表1)。
  4. 千粒重、容積重は同程度かやや重く、収量はやや多い。検査等級では優る(表1、表2)。
  5. 精麦の欠損粒を除いた正常粒率はやや劣るが、搗精時間は短く、精麦加工適性は同等かやや優れる。また、澱粉価、焼酎に加工したときのアルコール度数が高いことから焼酎に適する(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 県内の大麦栽培地帯、特に大麦縞萎縮病[III]型系統汚染地帯に適する。
図表1 222643-1.jpg
図表2 222643-2.jpg
図表3 222643-3.jpg
図表4 222643-4.jpg
カテゴリ 萎縮病 うどんこ病 大麦 加工 加工適性 抵抗性 品種

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