タイトル |
簡易被覆資材利用による青果用早掘サツマイモ栽培 |
担当機関 |
鹿児島農試 |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
青果用早掘サツマイモ栽培における簡易被覆資材の利用は可能で、資材ではポリビニルアルコール割繊維不織布、ポリエステル長繊維+ポリエチレン割繊維不織布が、被覆方法では浮きがけが適する。
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キーワード |
サツマイモ、早掘、被覆資材、不織布
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背景・ねらい |
青果用サツマイモは超早掘りから貯蔵にいたるまで多作型による長期の栽培が行われているが、単作が多い。畑地や農業機械・資材の高度利用は農家経営の安定・向上をもたらすことから、早掘サツマイモを前進化させ、秋冬野菜(ニンジン)との組み合わせを可能にするため、両品目に共通利用する簡易被覆資材について、青果用早掘りサツマイモでの利用技術確立を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 供試した資材は、ポリプロピレン長繊維不織布(以下PP長)が最も軽く、以下ポリエステル長繊維+ポリエチレン割繊維不織布(以下PET長+PE割)、ポリエチレン割繊維不織布(以下PE割)で、ポリビニルアルコール割繊維不織布(以下PVA割)が最も重いがいずれもポリフィルムよりは軽く作業性はよい(表1)。また、耐用年数が長く、共通利用での多回使用によるコスト削減が期待できる。
- 被覆期間中の最低気温の極温は、資材間ではPVA割、PET長+PE割が高く、低いものは摂氏0度を下回った。寒害の被害率は、PVA割、PET長+PE割で低く、いずれもべたがけより浮きがけで低かった(表2)。
- べたがけは、資材が直接サツマイモの生長点に接し、寒害被害率が高かった。
- 上いも1株個数は、ポリフィルムに比較していずれの資材も少ないが(表3)、資材間ではPVA割、PET長+PE割が多い。被覆方法では、浮きがけがべたがけより多い。上いも1個重は、ポリフィルムに比較していずれの資材も大きい。被覆方法では、1株個数の少ないべたがけが大きい。(表3)
- 上いも収量は、ポリフィルムより劣るものの、PVA割、PET長+PE割が高くポリフィルムとの差は小さい。A品収量も、上いも収量と同様の傾向にある(表3)。被覆方法では、浮きがけがべたがけより高い傾向にある。
- 以上の結果から、青果用早掘サツマイモ栽培における簡易被覆資材の利用は可能で、資材ではPVA割、PET長+PE割が、被覆方法では浮きがけが適する。
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成果の活用面・留意点 |
- 植付前、苗の順化を充分に行う。
- 植付後の気温予想をみながら植付日を決定する。
- 他作物との共通利用による低コスト化に努める。
- PVA割、PET長+PE割はニンジンでの適応性も高い。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
経営管理
コスト
低コスト
にんじん
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