タイトル |
九州北部における稲発酵粗飼料の飼料成分含量と栄養価推定法 |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
2000~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
稲発酵粗飼料の刈取適期は人工乾物消化率の高い黄熟期である。また、稲発酵粗飼料の可消化粗蛋白質はDCP=1.2×CP含量-4.3、可消化養分総量はTDN=1.1×OCC含量+2.0×Oa含量+0.9×Ob含量-44.2の推定式により求めることができる。
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背景・ねらい |
転作水田における飼料作物として飼料イネホールクロップサイレージの作付・利用が推進されている。しかし、近年開発された新品種等は飼料成分組成や栄養価に未解明な部分が残されている。そこで、生育時期毎の飼料成分含量解明や栄養価推定式を作成することにより、その効果的な利活用を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 飼料イネホールクロップサイレージにおける伸長期から完熟期までの生育時期別飼料成分含量を明らかにした。可消化養分総量(TDN)と正の相関が高い人工乾物消化率(IVDMD)は黄熟期が55.1%と最も高いことから、飼料イネの刈取適期は黄熟期と考えられる(表1)。
- 糊熟期から完熟期の飼料イネホールクロップサイレージ7点を緬羊に維持量給与して消化試験を行った。試験飼料は大豆蛋白を添加して蛋白質含量を乾物8%に補正した。大豆蛋白質の消化率は消化率既知のイタリアンライグラスサイレージを用いて測定し、試験飼料に添加した大豆蛋白質の補正を行った。消化試験結果から、可消化粗蛋白質(DCP)は粗蛋白質(CP)含量を変数とした一次回帰式により、精度良く推定できる(表2(1)式、図1)。
- TDNは細胞内容物質(OCC)、高消化性繊維(Oa)及び低消化性繊維(Ob)含量を変数とした重回帰式により、精度良く推定できる(表2(2)式、図2)。また、推定精度は若干劣るが、NDF(中性デタージェント繊維)含量を変数とした一次回帰式を用いても推定できる(表2(3)式)。
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成果の活用面・留意点 |
- 稲発酵粗飼料を用いた牛用飼料の給与設計に用いる。
- DCP、TDN推定式は稲発酵粗飼料のホールクロップサイレージに適用し、茎葉利用の青刈サイレージには使用しない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
イタリアンライグラス
飼料作物
新品種
水田
大豆
羊
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