タイトル |
乾乳期飼料への塩化マグネシウム添加による低カルシウム血症の予防 |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
乾乳牛の飼料に塩化マグネシウムを添加して陰イオンの量を増やすと、体内により多くのカルシウムが蓄積するので、分娩後の低カルシウム血症の予防が期待できる。
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キーワード |
乾乳牛、塩化マグネシウム、陰イオン、低カルシウム血症
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背景・ねらい |
乳牛は、分娩後の泌乳開始によって、多くの血中カルシウムを乳汁中に移動させるため、低カルシウム血症になりやすい。低カルシウム血症になった乳牛は、食欲が無くなり、症状が重くなると立てなくなったり心臓の機能障害によって死亡する。この病気は、施肥量の多い畑で栽培された粗飼料に含まれる陽イオン「カリウム」の多量摂取が誘因と指摘されている。従来より乾乳期飼料のカルシウム量を抑えることで一定の予防効果が得られてきが、最近ではクロールやイオウなどの陰イオンを多く含む飼料を与えることによる予防効果が期待されている。そこで、乾乳期の飼料にクロールイオンを多く含む「塩化マグネシウム」を添加し、より効果的な低カルシウム血症の予防技術を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 塩化マグネシウムを添加することで飼料中のイオンバランス(DCAD値)を-15mEq/100gにすると、ふん尿から排泄される「カルシウム」の量が少なくなり、体内に蓄積する「カルシウム」が増える(表1)。
- 飼料中のDCAD値を-15mEq/100gにすると、低カルシウム血症の誘因物質である「カリウム」をより多く排泄する(表1)。
- 飼料中のDCAD値を-15mEq/100gにすると、尿のpHが6前後まで低下する(図1)。
- 飼料中のDCAD値を-15mEq/100gにすると、分娩1日前および分娩1日後の「血中カルシウム濃度」が高まる傾向にある(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 乳牛の分娩後の低カルシウム血症の予防方法の1つとして活用できる。
- 塩化マグネシウムの添加量は、各農家の乾乳飼料中のイオン(ナトリウム、カリウム、クロール、イオウ)の量を測定し、表1の注2の式を用いて決める。イオンバランス調整による牛群の尿pHはおおむね6~7が推奨されている。
- 塩化マグネシウムを添加すると飼料の嗜好性が低下する場合がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
施肥
乳牛
予防技術
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