タイトル |
施設栽培キンカン産地の苦土欠乏の実態 |
担当機関 |
鹿児島果樹試 |
研究期間 |
2003~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
施設栽培キンカンの土壌中の交換性苦土含量は高いが、交換性カリ含量が高いため樹体への苦土の吸収が抑制され、12月の葉中のマグネシウムが欠乏している園地数は全調査園地数の65%である。
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キーワード |
キンカン、交換性苦土、マグネシウム
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背景・ねらい |
施設栽培キンカンでは苦土欠乏症が発生しており、苦土資材の土壌施用が実施されている。そこで産地実態を把握するため、前年苦土欠乏症の発生した園地を選定し、42地点(A産地26地点、B産地16地点)の2003年9、10、12月の葉中無機成分含有率と、うち26地点(A産地13地点、B産地13地点)の11月の土壌化学性を調査した。
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成果の内容・特徴 |
- 葉中のマグネシウム含有率は9月から12月にかけて減少する(表1)。
- 12月の葉中のマグネシウム含有率が0.25%未満の園地は40園地中26園地で、全体の65%である(表2)。
- 12月の葉中のマグネシウム含有率とカリウム含有率には負の相関が見られ、葉中のカリウム含有率は適正であるが葉中のマグネシウム含有率は低い園地が多い(図1)。
- 土壌のpH(H2O)は適正であるが、交換性塩基および有効態リン酸含量、塩基飽和度はすべての園地で基準値より高く、塩基バランスは悪い(表3)。土壌中の交換性苦土含量は過剰であるが、12月の葉中マグネシウム含有率が欠乏域にある園地が多いことから、土壌の交換性苦土と交換性カリの拮抗作用により、樹体へのマグネシウムの吸収が阻害されていると考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- 施設キンカンの施肥改善の参考として活用する。
- 土壌の塩基バランスを適正に保つため、土壌診断結果から交換性カリが過剰であればカリ肥料の施用を控える。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
きんかん
施設栽培
施肥
土壌診断
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