タイトル |
軟弱地盤に対応した耐候性ハウスの基礎 |
担当機関 |
長崎総農林試 |
研究期間 |
2002~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
開発したハウスは長さ1000mm、幅100mm、厚さ9mmのスパイラル杭2本を金具で連結した基礎を、さらに高張力鋼角パイプで連結した根太工法により軟弱地盤に対応した風速50m/sに耐える耐候性ハウスである。
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キーワード |
軟弱地盤、スパイラル杭、根太基礎、耐候性ハウス
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背景・ねらい |
諫早湾干拓地では露地野菜、畜産経営の推進とともに企業的農業経営による収益性の高い大規模園芸施設経営の育成を図っている。しかしながら当地は地盤が軟弱であるとともに台風等の気象災害を受けやすく施設園芸推進の隘路となっている。 このため軟弱地盤に対応した低コスト耐候性ハウス開発を目的に基礎工法を究明し、施設園芸の振興を図る。
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成果の内容・特徴 |
- オランダ式二重管ポータブルコーン貫入試験によると干拓地の地耐力は熟畑地、未熟畑地ともに地表下0.2mで最大約0.5KNで以下減少し0.9m以下は約0.1KNで一定となる。熟畑化することにより地表下0.6m程度までは地耐力は増加する。(図1)
- スパイラル杭、コンクリート基礎、井桁基礎による垂直耐力を比較するとスパイラル杭と井桁基礎が2KN以上でコンクリート基礎より高い。また、スパイラル部の幅75mmと150mmを比較すると、約2倍の耐力があり幅の広いスパイラル基礎ほど垂直耐力がある。(表1、図2)
- 水平耐力ではパイプ付きスパイラルが耐力があり次にコンクリート基礎が高い。井桁基礎、スパイラル基礎は同程度で約1KNの耐力である。(図3)
- 開発したハウスは間口6m、軒高2.5m、棟高3.3m、長さ15mで基礎の間隔は3.0mである。骨材には高張力鋼角パイプ(75mm×45mm)を使用している。
- 基礎にはスパイラル基礎(長さ1000mm、幅100mm、スパイラルの厚さ9mm)2本を用いそれぞれの基礎同士を金具で連結し、さらに金具同士を高張力鋼角パイプで連結した根太基礎工法である。(図4、図5)
- スパイラル杭は1本当たり212.7kgfの支持力を持ち、開発したハウスが風速50m/sで受ける垂直支持力147.7kgfより大きい。
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成果の活用面・留意点 |
- 地下1.0m以下を越えるとN値は0.5程度と見られるが1000mmのスパイラル杭を使用するので1.0mまでの地盤を考慮し下方平均としてN値は1.5として構造計算を行った。
- 緑肥の栽培を繰り返すことにより、物理性の改善と土壌上層部の乾燥が促され地耐力は増加しハウスの支持力も増すのでハウス建設の時期について検討が必要である。
- 基礎の設置は重機等が不要で施工が比較的容易である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
乾燥
経営管理
施設園芸
低コスト
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