タイトル |
ストロビルリン系薬剤耐性イチゴ炭疽病菌に対する育苗期のビニル雨よけと有効薬剤による体系防除 |
担当機関 |
佐賀農業センター |
研究期間 |
2004~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
ストロビルリン系薬剤(QoI)耐性イチゴ炭疽病菌に対し、他系統薬剤は防除効果を示し、特に、ジエトフェンカルブ・チオファネートメチル水和剤(DT剤)の効果が高い。さらに、育苗期のビニル雨よけとDT剤を基幹とした体系散布の組合せはQoI耐性炭疽病菌に対し高い防除効果を示す。
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キーワード |
ストロビルリン系薬剤、耐性菌、イチゴ、炭疽病、Glomerella cingulata、有効薬剤
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背景・ねらい |
アゾキシストロビン水和剤(商品名:アミスタ-20フロアブル)はイチゴ炭疽病の防除薬剤として広く使用されてきたが、2003年にストロビルリン系薬剤耐性菌の発生による防除効果の低下事例が認められた。そこで、耐性菌発生圃場における効果的な防除技術を確立するため、有効薬剤を明らかにするとともに、育苗期のビニル雨よけと薬剤の体系散布による防除効果について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- ストロビルリン系薬剤耐性イチゴ炭疽病菌(Glomerella cingulata)に対し、他系統薬剤であるプロピネブ水和剤、ジチアノン水和剤、有機銅水和剤、イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤、キャプタン水和剤、ビテルタノール水和剤、フルジオキソニル水和剤は防除効果を示し、中でもジエトフェンカルブ・チオファネートメチル水和剤は感受性菌と同様の高い防除効果を示す(表1)。
- 育苗期のビニル雨よけとジエトフェンカルブ・チオファネートメチル水和剤を基幹とした体系散布の組合せは、ストロビルリン系薬剤耐性イチゴ炭疽病菌に対し、高い防除効果を示す(表2、表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- ジエトフェンカルブ・チオファネートメチル水和剤及びビテルタノール水和剤は、Colletotrichum acutatumによる炭疽病に対しては効果を示さない。
- ジエトフェンカルブ・チオファネートメチル水和剤の使用時期及び回数は、定植前日まで、3回以内(ランナー切り離し以降)となっている。
- イチゴに対し、クレソキシムメチル水和剤はうどんこ病、フルジオキソニル水和剤は灰色かび病で農薬登録はあるものの、平成16年11月時点で炭疽病での適用がないので、本病の防除には使用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
いちご
うどんこ病
栽培技術
耐性菌
炭疽病
農薬
防除
薬剤
薬剤耐性
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