本圃におけるイチゴ疫病の伝染源と防除対策

タイトル 本圃におけるイチゴ疫病の伝染源と防除対策
担当機関 佐賀農業セ
研究期間 2004~2004
研究担当者
発行年度 2004
要約 イチゴ疫病菌は本圃土壌中で越夏生存するとともに、苗によって本圃へ持ち込まれる。本伝染源に対し、クロルピクリンくん蒸剤(錠剤)、ダゾメット微粒剤、メチルイソチオシアネート・D-D油剤による土壌くん蒸とシアゾファミド水和剤、メタラキシル粒剤の定植時施薬が有効である。
キーワード イチゴ、疫病、伝染源、本圃土壌、苗、土壌くん蒸、定植時施薬
背景・ねらい イチゴ疫病(Phytophthora nicotianae var.parasitica)は、育苗期および本圃初期において立枯れや生育不良を引き起こし、安定生産を図るうえで大きな問題となっている。特に近年、本圃での発生が問題となっているが、伝染源が明確にされていない。
そこで、その伝染源を明らかにし、防除対策を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 前作疫病が発生した汚染圃場(本圃)において、土壌消毒を行わなかった圃場では、行った圃場より高い割合で定植直前に菌が検出される(表1)。さらに、本病汚染圃場において、土壌中で長期間菌が生存し(表2:無処理)、越夏する。
  2. 育苗期に汚染した苗が、本圃に持ち込まれている(表1)。
  3. 潅水に用いる井戸水、クリーク水などからは、いずれの時期においても菌は検出されない(表1)。
  4. 土壌中の越夏菌に対しては、クロルピクリンくん蒸剤(錠剤)、ダゾメット微粒剤、メチルイソチオシアネート・D-D油剤による土壌くん蒸が有効である(表2)。
  5. 本病の土壌および苗持ち込み伝染に対し、本圃定植時におけるシアゾファミド水和剤、メタラキシル粒剤の施用が有効である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 前作で発生があった圃場では、夏期休閑時の土壌消毒とともに定植時の薬剤施用が必須である。
  2. 本圃における発病株は、周辺土壌とともにすみやかに除去する。
  3. 生育不良苗は、本病に感染している可能性が高いため、本圃へ定植しない。
  4. ダゾメット微粒剤、メチルイソチオシアネート・D-D油剤、クロルピクリン・D-Dくん蒸剤は、平成16年12月時点で疫病での適用がない。シアゾファミド水和剤の定植時潅注処理は、平成16年12月時点でイチゴに農薬登録がないため、使用できない。
図表1 222839-1.jpg
図表2 222839-2.jpg
図表3 222839-3.jpg
図表4 222839-4.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 いちご くり 栽培技術 土壌くん蒸 土壌消毒 農薬 防除 薬剤

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