タイトル |
シルバーリーフコナジラミに対する殺虫剤散布によるTYLCV媒介抑制効果 |
担当機関 |
熊本農研セ |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
エトフェンプロックス乳剤の散布は、TYLCVを保毒したシルバーリーフコナジラミが常に寄生可能な条件でもTYLCVの媒介を抑制できるが、トルフェンピラド乳剤、ピリダベンフロアブル、クロチアニジン水溶剤およびチアクロプリド顆粒水和剤では抑制できない。
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キーワード |
シルバーリーフコナジラミ、トマト黄化葉巻病、TYLCV、媒介抑制、散布、殺虫剤
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背景・ねらい |
トマト黄化葉巻病の病原ウイルスはTomato yellow leaf curl virus(以下、TYLCV)であり、シルバーリーフコナジラミによって媒介される。感染したトマトは、生長点が黄化、萎縮して生長が止まり、発症後の着花や着果が抑制され、減収の原因となる。特に、媒介虫の密度が高く、ハウス内への侵入が恒常的におこる夏期に育苗、定植される促成栽培で被害が大きい。媒介虫の防除は、本病の感染を抑制する方法のひとつである。感染の抑制に使用する場合、殺虫効果と媒介抑制効果の把握が重要であるが、殺虫剤散布における媒介抑制効果について明らかにされていない。そこで、TYLCVを保毒した媒介虫が常に寄生可能な条件下で、殺虫剤を散布して媒介抑制効果を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- エトフェンプロックス乳剤1,000倍を5日間隔で散布したトマト株のTYLCVのPCR陽性株率は、TYLCV媒介抑制効果が認められるネオニコチノイド系粒剤株元処理と同程度であり、本剤は保毒虫が常に寄生可能な条件下でもTYLCVの媒介を抑制できる(図1)。
- トルフェンピラド乳剤1,000倍、ピリダベンフロアブル1,000倍、クロチアニジン水溶剤2,000倍およびチアクロプリド顆粒水和剤2,000倍の5日間隔散布は、保毒虫が常に寄生可能な条件下での媒介を抑制できない(図2、図3、図4、図5)。
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成果の活用面・留意点 |
- 熊本県農業センターの累代飼育個体群を用い試験した。
- エトフェンプロックス乳剤は、物理的、耕種的防除技術と組み合わせて使用する。
- エトフェンプロックス乳剤はミツバチへの影響が強いため、使用には注意が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
栽培技術
トマト
防除
ミツバチ
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