細粒質土壌の水田転換キャベツ畑における硝酸態窒素の溶脱

タイトル 細粒質土壌の水田転換キャベツ畑における硝酸態窒素の溶脱
担当機関 福岡農総試
研究期間 2001~2003
研究担当者
発行年度 2004
要約 細粒質土壌の水田転換畑における晩出しキャベツの基肥窒素収支は層位80cm以下の溶脱分が12%ある。基肥窒素は積算降水量150mmで溶脱を開始し270mmで浸透水の基肥由来の窒素濃度が最高となる。また、その時の土壌や施肥に由来する浸透水中の硝酸態窒素濃度は40~45mg/Lである。
キーワード 細粒質土壌、水田転換畑、キャベツ、硝酸態窒素、溶脱
背景・ねらい 露地野菜畑では、施肥窒素は速やかに硝酸態窒素に変化する。また、硝酸態窒素は通常、土壌には吸着されないため、降雨や潅漑水によって容易に地下水へと移行する。このため、農耕地における地下水の硝酸性窒素汚染は露地野菜畑地帯で深刻な問題となりやすい。
そこで、福岡県の露地野菜畑の大部分を占める水田転換畑における施肥窒素の挙動を窒素収支および土壌中の窒素浸透パターンの観点から解析し、地下水の環境保全を考慮した窒素ゼロエミッション型農業技術の確立に資する。
成果の内容・特徴
  1. 晩出しキャベツの施肥窒素利用率は基肥が52%で追肥の59%よりも低い。また、基肥窒素の溶脱率は12%であり、残りの36%が土壌に残存あるいは脱窒しているものと考えられる。なお、追肥窒素の溶脱率は2%にすぎない(表1)。
  2. 基肥窒素は積算降水量150mm付近で地表下80cmに到達し、浸透水の基肥由来の窒素濃度は積算降水量270mmの時に最高となる。この時点までに全体の40%程度が溶脱し、その割合は基肥窒素施用量の5%程度に相当する(図1、表1)。
  3. 基肥窒素の溶脱濃度が最高となる積算降水量270mm時の基肥由来硝酸態窒素濃度は約9mg/Lである。また、その時の土壌や肥料分を合わせた浸透水中硝酸態窒素濃度は40~45mg/Lであり、地下水の環境基準値である10mg/Lを超過している(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 細粒質土壌の水田転換畑における冬作の結球型葉菜類を対象とする環境保全型施肥技術の指導資料として活用できる。
  2. 基肥窒素は追肥窒素よりも溶脱量が多く、また、冬場のキャベツの生育停滞時に多いので窒素利用率を高めることにより溶脱量を削減する。そのためには基肥量を減らして追肥の分施回数を増やしたり、基肥に溶出期間の短い肥効調節型肥料を使用する。
  3. 降水量は全体としては平年並みであるが冬期にやや少ない年の解析結果である。
図表1 222876-1.jpg
図表2 222876-2.jpg
図表3 222876-3.jpg
カテゴリ 肥料 キャベツ 水田 施肥

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