簡易な液肥混入器を用いたイチゴ循環式高設栽培システム

タイトル 簡易な液肥混入器を用いたイチゴ循環式高設栽培システム
担当機関 徳島農研
研究期間 2005~2007
研究担当者
発行年度 2008
要約
排液の集水が容易にできる徳島農研方式イチゴ高設栽培システムを改良し、低コストな循環式システムを開発した。品種「さちのか」において、希釈倍率を設定できる簡易な液肥混入器を用いて作成した培養液と排液を混合し、栽培ベッドへ再給液することにより、慣行の掛け流し式とほぼ同等の生育、収量を得ることができる。
キーワード イチゴ、高設栽培、培養液、循環
背景・ねらい
近年、徳島県で様々なイチゴの高設栽培システムが普及しているが、何れのシステムも培養液の2割~3割程度が排液となり施設外に排出され、環境に負荷をかけている。平成10年より研究してきた徳島農研方式イチゴ高設栽培システムは、ベッド底面に配したコルゲート管により排液を集水でき、容易に循環式へ改良できる。そこで、低コストな循環式システムを開発するとともに、収量・品質に与える影響について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 希釈倍率を設定できる簡易な液肥混入器(無電源定率養液フィーダー)で調整した養液を栽培ベッドに給液し、排液をベッド底面に配したコルゲート管により排液を回収し、新たに調整した養液とともに再給液する循環式のシステムである(図1)。資材費は、掛け流し式の徳島農研方式イチゴ高設栽培システムと排液配管が異なる程度であるため、新たな経費はわずかである。
  2. 品種「さちのか」における培養液管理は、養液土耕6号を、定植後~10月は2,000倍~2,500倍、11月~2月は1,000~1,500倍、3~4月は2,000倍に希釈して培養液タンクへ補充する。生育・収量及び果実品質は慣行の掛け流し式より劣るが、その差は僅かである(表1、2)。
  3. 養液土耕6号を用いた場合、培養液の組成の乱れは特に見られない(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. この成果は、培地に杉皮バークを用いた。他の培地は検討が必要。
  2. この成果における培養液タンク容量は、1株当たり1.2Lである。
  3. 定期的に培養液のECを確認し、0.9mS/cmを越える場合は濃度を下げる。
  4. 排液循環により土壌伝染性病害が拡散する可能性がある。
  5. 点滴チューブの目詰まり防止のため、給液ラインにフィルターを設置する。
  6. 原水に硫酸イオンが含まれていない場合は、イオウ欠乏症状を生じる恐れがある。
図表1 234997-1.jpg
図表2 234997-2.jpg
図表3 234997-3.jpg
図表4 234997-4.jpg
カテゴリ いちご 栽培技術 低コスト 品種

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