大豆青立ちの発生要因

タイトル 大豆青立ちの発生要因
担当機関 佐賀農試セ
研究期間 2002~2005
研究担当者
発行年度 2005
要約 近年、水田作大豆で発生する青立ちの発生要因は、登熟期間の高温や土壌水分ストレスによる着莢の減少である。青立ちと着莢は負の相関があり、1節莢数が1以下となると青立ちが発生しやすい。登熟期の高温、乾燥や乾燥後の灌水で発生しやすい。
キーワード ダイズ、青立ち、着莢、1節莢数、高温、乾燥、灌水
背景・ねらい 九州北部の水田作大豆で、成熟が遅れ落葉せず茎に緑色が残る青立ちが発生し、汚粒の発生や収穫前の株除去や別扱いなど、品質低下やコスト増になっている。青立ちはカメムシ類の加害によっても発生するが、近年、平坦部などに発生している青立ちはカメムシ類の加害でないものも多く、その要因は不明である。そこで、その発生要因を解明し防止技術開発の資料とする。
成果の内容・特徴
  1. 平坦部の現地ほ場で発生した青立ち株は、落葉せず茎の色が緑で、主茎、特に上位3節までの着莢は少ない(表1)が、カメムシ類による変形粒は見られず整粒重などは健全株と変わらない。青立ちの発生状況は、ほ場の一部や全面などある程度広い範囲に発生する。
  2. 青立ち発生の要因は着莢の減少によるシンク・ソースのアンバランスであり、若莢期に莢を除去すると、摘莢50%以上で青立ちが発生し、莢と同時に葉も除去すると青立ちの発生が少なくなる(データ略)。青立ちの発生程度は1節莢数と負の相関があり、1節莢数が1以下となると青立ちが発生しやすい(図1)。
  3. 登熟期間の気温を人工気象室で高温にすると、高夜温(摂氏30度)で青立ちの発生が多く、高昼温(摂氏40度)では青立ちの発生はやや少ない(図2)。青立ちの多い高夜温では、開花が早い主茎低次位花房の着莢割合が低くなり(図3)、成熟が遅れ青立ちとなる。
  4. 登熟期間の土壌水分ストレスでも青立ちが発生し、ライシメータで土壌水分を調節すると、乾燥(TDR10%以下、昼間、葉身が垂れる程度)や乾燥後の灌水による湿潤(地下水位30cm、TDR20%以上)で青立ちが発生する(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 青立ち防止技術開発のための基礎知見として活用する。
  2. カメムシ類の加害による青立ちは、粒には吸汁による変色や変形などが見られるなどで、本情報の青立ちと区別しやすい。

図表1 222925-1.jpg
図表2 222925-2.jpg
図表3 222925-3.jpg
図表4 222925-4.jpg
図表5 222925-5.jpg
カテゴリ カメムシ 乾燥 コスト 水田 大豆

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