タイトル |
一工程混播播種機を使った飼料麦とイタリアンライグラスの混播栽培 |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
2001~2005 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2005 |
要約 |
麦条播播種機の後部にイタリアンライグラス散播播種機を取り付けて、飼料麦とイタリアンライグラスを混播栽培すると、従来の方法と比べ、乾物収量は同等以上で播種作業時間を1/2~1/4に短縮できる。
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キーワード |
播種機、飼料麦、イタリアンライグラス、混播
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背景・ねらい |
本県における飼料作物の主体は秋冬作のイタリアンライグラスであり、飼料作物の約5割を占めている。イタリアンライグラスは多収で栽培が容易であり、乾草やサイレージ調製に適した草種であるが、低温時の生育が遅いことや水分含量が高い等の欠点がある。それを補う栽培法として低温時の生育が良好で乾物率が高く、栄養収量も高い傾向にある飼料麦をイタリアンライグラスに混播する方法がある。しかし、混播栽培の播種作業については麦とイタリアンライグラスの種子形状や播種深度の違いから播種作業が2重になる欠点がある。このため、飼料麦とイタリアンライグラスを同時に播種する省力的な混播播種技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 麦条播播種機の後部に当場で開発したイタリアンライグラス散播播種機(平成10年度成果)を取り付けて、飼料麦とイタリアンライグラスを同時播種すると、耕耘、飼料麦播種、イタリアンライグラス播種、施肥の4つの作業を1回で行う省力的な作付けが出来る(図1)。
- 一工程混播播種機を使った播種作業時間は26分/10a程度で、麦を条播播種機、イタリアンライグラスを手播きで播種した場合の約1/2、麦、イタリアンライグラスともに手播きで播種した場合の約1/4に省力化出来る(表1)。
- 一工程混播播種機を使って混播栽培した時の乾物収量は、麦を条播播種機、イタリアンライグラスを手播きで播種した場合や、麦、イタリアンライグラスともに手播きで播種した場合と比べ、1番草、2番草ともに同等以上である(表2)。
- 一工程混播播種機を使って実証規模で混播播種する場合には、種子及び肥料の補充作業が6分/10a程度必要となるが、播種作業時間と併せても30分/10a程度である(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 飼料麦とイタリアンライグラスを混播栽培する際に活用する。
- 飼料麦の種子は二条大麦以外の麦でも播種することが出来る。
- イタリアンライグラスは表面播種となるが、麦の播種深度は麦播種機の設定により変更可能である。
- 鎮圧は省略することも可能であるが、実施する場合には播種直後又は播種から一ヶ月程度後に麦踏みを兼ねて実施しても良い。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
イタリアンライグラス
大麦
省力化
飼料作物
施肥
播種
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