採卵鶏における卵重調節技術の検討

タイトル 採卵鶏における卵重調節技術の検討
担当機関 鹿児島県畜産試験場
研究期間 2002~2004
研究担当者
発行年度 2005
要約 市販飼料体系よりも粗蛋白質水準(CP)が低い低蛋白質飼料を産卵中期(CP16%)及び産卵後期(CP15%)から給与することにより、産卵量が低下することなく、過大卵の発生率が減少し、収益性が向上する。
キーワード 低蛋白質飼料、卵重、卵用鶏
背景・ねらい 鶏の卵重は、加齢とともに増加し、産卵後期には価格の安い過大卵が多く発生するため過剰な卵重増加が抑制できれば、収益性の向上が期待できる。
そこで、卵重を支配する要因に飼料中粗蛋白質含量が大きく関与することが知られていることから、過剰な卵重増加を抑制し、収益性の向上を図るため、市販飼料よりも粗蛋白質含量が低い飼料の給与方法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 採卵鶏ジュリアを用いて、市販飼料(前期飼料CP18%、中期飼料CP17%、後期飼料CP16%)よりも粗蛋白質水準(CP)を1%低く設計した試験飼料(中期試験飼料CP16%及び後期試験飼料CP15%)を給与したところ、46週齢から中期試験飼料、70週齢から後期試験飼料を給与することにより、生産性が低下することなく(表1)、過大卵の発生率が減少し(図1)、収益性が向上する傾向がみられる(図2)。
    なお、試験飼料区(低CP区)の平均卵重及び規格外卵発生率は、中期試験飼料への切替後しばらくは市販飼料の対照区よりも大きく減少するが、産卵後期には差が小さくなる(図3、図4)。また、低CP区の産卵率は、産卵後期まで高く維持する(図5)。これらのことから、試験飼料区の粗収益は、産卵中期は規格外卵の減少によって、産卵後期は産卵率が高いことよって市販飼料区よりも増加すると推察される(図6)。
成果の活用面・留意点
  1. 試験飼料への単体アミノ酸添加は、特に行っていない。また、代謝エネルギーは市販飼料と同じに設計した。
  2. 強制換羽は62週齢時に行った。
  3. 飼料単価の設定:CP1%増減につき、0.5円/飼料kgの増減とした。
  4. 卵価は、全農福岡荷受相場を用いた。
  5. 市販飼料よりもCP水準を2%低くした場合、過大卵の発生率は大きく減少するが、産卵日量の減少と比較的安価なSサイズ卵の増加により、収益性が低下する。
  6. 市販飼料給与体系においては、中期飼料への切替時期を38週齢にした場合、収益性が向上する傾向がみられる。
  7. 本成果はジュリア等の大型の白レグにおける結果である。

図表1 222973-1.jpg
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