孟宗竹を通気管として活用した自然通気式堆肥化処理技術

タイトル 孟宗竹を通気管として活用した自然通気式堆肥化処理技術
担当機関 鹿児島畜試
研究期間 2002~2004
研究担当者
発行年度 2005
要約 切返しを主体とした無通気堆積発酵施設において、簡易な竹通気管を活用することにより、堆積原料の底部に自然通気がなされ、乾物分解率が向上する。また、C/N比の低下も速いことから、竹通気管の効果が認められる。
キーワード 家畜ふん尿、無通気堆積発酵施設、竹通気管
背景・ねらい 平成16年11月に完全施行された家畜排せつ物法に対応するため、中小規模の肉用牛飼養農家においても家畜ふん尿処理施設が整備された。ほとんどのふん尿処理施設は、建設費用の節減等を理由に発酵槽床面から堆肥内部へブロア送風を行う強制通気方式を取り入れておらず、切返し作業を主体とした無通気の堆積発酵施設である。そのため、堆肥表面から空気がしみこむ数十センチの範囲でしか発酵は行われず、空気が供給されない内部は未発酵の状態のため、堆肥化処理に多くの日数を要する。そこで、節を取り除き通気用の孔を開けた孟宗竹(以下竹)を簡易な通気管として発酵槽底部に敷設し、堆肥原料内部へ空気を供給することによる堆肥化促進を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 竹による通気は孔径3mmの通気孔を斜め上15cm間隔で穿孔した口径80~100mm程度の竹を発酵槽床面に置き、その上に肉用牛ふんを1.5m高で堆積することとする(図1・写真1)。
  2. 自然通気により乾物分解率が向上するとともに、C/N比は低下し堆肥化が促進することで、処理期間の短縮が期待できる(写真1、表1、表2)。
  3. 堆積底部における最高温度及び発酵温度摂氏60度以上を記録した累計時間は、通常の無通気堆積に比べ高い結果となり、自然通気が確保されたと推測される(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 通気装置のない堆積発酵施設を所有する中小規模の肉用牛農家において利用できる。
  2. 従来の堆肥化処理同様、原料の容積重調整(600kg/m3、水分含有率65%)を実施する必要がある。
  3. 通気管は切返し前に抜き取り、作業の妨げにならないようにする。
  4. 通気管は2ヶ月以上使用可能である(乾燥すると表面に亀裂が入り使用不可能となる)。
  5. 強制通気に比べると発酵温度の立ち上がりが緩やかであるため、切返し間隔は10日から2週間を目安とし、堆肥化期間は9週間程度を確保する。

図表1 222974-1.jpg
図表2 222974-2.jpg
図表3 222974-3.jpg
図表4 222974-4.jpg
カテゴリ 乾燥 肉牛

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