交信攪乱フェロモン剤によるアスパラガスの鱗翅目害虫の防除

タイトル 交信攪乱フェロモン剤によるアスパラガスの鱗翅目害虫の防除
担当機関 佐賀農業セ
研究期間 2004~2007
研究担当者
発行年度 2005
要約 アスパラガスの半促成長期どり栽培において、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウおよびオオタバコガに対する交信攪乱フェロモン剤をハウス圃場および圃場周辺部に幼虫の発生前から設置すると、これら害虫の発生と若茎被害が抑制され、殺虫剤の使用回数の低減が可能である。
キーワード アスパラガス、交信攪乱フェロモン剤、鱗翅目害虫
背景・ねらい アスパラガスの登録農薬は少なく、さらに半促成長期どり栽培は収穫が長期に渡るため、現場は薬剤による病害虫防除に大変苦慮している。特に、主要害虫である鱗翅目害虫の若茎への被害は軽微な場合でも商品価値が損なわれる。それら害虫に対して有効な薬剤が少ないうえに、発生時期である夏季から秋季にかけての薬剤散布は、荷重な負担を強いられる。そこで、鱗翅目害虫に対して長期間有効な交信攪乱フェロモン剤を用い、薬剤散布回数を低減する効率的防除を検討した。
成果の内容・特徴
  1. アスパラガスの半促成長期どり栽培のハウス圃場および圃場周辺部において交信攪乱フェロモン剤は、〔対ハスモンヨトウ「ヨトウコン-H」;200m/10a〕、〔対シロイチモジヨトウ「ヨトウコン-S」;700本/10a〕、〔対オオタバコガ「コナガコンープラス」;120本/10a〕、幼虫発生前からの設置によって、高い交信攪乱効果を示し、無設置に比較して誘殺数が激減する(表1)。
  2. 3種類の交信攪乱フェロモン剤の設置によって、アスパラガスで問題となるハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウおよびオオタバコガによる被害は抑制され(表2;2004年)、さらに殺虫剤の使用回数の低減が出来る(表2;2005年)。
成果の活用面・留意点
  1. 西南暖地におけるアスパラガスの半促成長期どり栽培において活用できる。
  2. 交信攪乱フェロモン剤は、鱗翅目害虫の幼虫発生が認められる前(7月下旬~8月上旬頃)から設置する。また、効果を安定させるために圃場の周縁部は中央部等よりも1~2割程度多めに設置する。
  3. 栽培団地においては、可能な限り広域に設置することで、効果が安定する。
  4. 交信攪乱効果の有無を判断するために、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウおよびオオタバコガの性フェロモントラップを必ず設置するとともに、圃場内の被害状況等を随時観察する。

図表1 223098-1.jpg
図表2 223098-2.jpg
カテゴリ 病害虫 アスパラガス 害虫 性フェロモン 農薬 病害虫防除 フェロモン 防除 薬剤

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