早期高糖で茎重型のサトウキビ新品種「NiN24」(旧系統名 KN91-49)

タイトル 早期高糖で茎重型のサトウキビ新品種「NiN24」(旧系統名 KN91-49)
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 1990~2006
研究担当者 伊禮 信
松岡 誠
寺島義文
境垣内岳雄
氏原邦博
福原誠司
杉本 明
発行年度 2006
要約 サトウキビ「NiN24」は、沖縄本島南部地域における1月から2月の収穫において、1茎重、原料茎重が重く、可製糖量が多い。早期高糖性で、夏植え型栽培により、秋から初冬季にかけての早期収穫にも対応できる。サトウキビの生産性向上と収穫の早期化に有用である。
キーワード サトウキビ、早期高糖、多収、夏植え型、秋収穫栽培、沖縄本島南部
背景・ねらい 沖縄本島南部では、サトウキビ生産の維持、拡大に向け、従来の1月よりも早い12月下旬からサトウキビの収穫が実施されるようになった。しかし、集中する収穫や株出し管理作業の競合を解消し、サトウキビの生産性向上を図るためには、収穫時期の一層の早期化が必要である。同地域では手刈り収穫が多く、1茎の重い品種の需要が高い。そこで、沖縄本島南部地域におけるサトウキビの生産性向上に向け、多収で1茎が重く、秋から初冬季の収穫にも対応できる早期高糖性の品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「NiN24」は、「F167」を種子親、「CP57-614」を花粉親に用いて種子を得、1991年に実生選抜を実施して以降、1茎重と高糖性を重視して選抜した系統である(表1、図1)。
  2. 沖縄本島南部における1月~2月の収穫では、「NiF8」に比べ、1茎が重く原料茎重が重いため、可製糖量が多い(表1)。
  3. 夏植え型栽培(8月~9月の植付け)による早期収穫では、「NiF8」に比べ、原料茎重が重く、可製糖量が多い(表2)。
  4. 夏植え型栽培による11月収穫の甘蔗糖度は基準糖度(13.1%)以上である。10月からの収穫が可能な年もある(表2)。
  5. 株出し栽培で発病の多い黒穂病に対する抵抗性は“強”である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 沖縄県が本島南部地域を対象に、11月収獲にも対応可能な品種として奨励品種に採用予定である。当面、慣行の収獲時期で「NiF8」を置き換え対象に約200haの普及を見込んでいる。
  2. 新植で11月収穫を行う場合には、夏植え型(8月~9月の植付け)で栽培する。
  3. 重粘なジャーガル土壌における春植えでは、発芽の確保に向け、硬化していない充実した芽子を持つ健全な種苗を用いるとともに、過覆土とならないようにする。
図表1 223186-1.jpg
図表2 223186-2.jpg
図表3 223186-3.jpg
カテゴリ さとうきび 新品種 抵抗性 品種

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