高エネルギー飼料は高温下における乾乳後期乳牛の乾物摂取量低下を抑制する

タイトル 高エネルギー飼料は高温下における乾乳後期乳牛の乾物摂取量低下を抑制する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者
発行年度 2006
要約 高温環境下で分娩する乳牛において、乾乳後期用の飼料中TDN含量を、濃厚飼料の比率を増すことにより66%から69%に高めることで、高温ストレスに伴う分娩前の乾物摂取量の低下を抑制し、妊娠末期のエネルギー要求量を満たすことが出来る。
キーワード エネルギー水準、乾乳後期、乾物摂取量、高温、乳用牛
背景・ねらい 乾乳期は胎児の発育や分娩、泌乳の準備のため大変重要な時期であり、厳密な栄養管理が要求される。乾乳期の乾物摂取量の低下は、泌乳量や分娩後の代謝病の発生に影響を及ぼすとされているので、特に乾物摂取量の低下する高温環境下では十分な対策が必要である。そこで、高温環境下で分娩する乳牛の乾物摂取量を高めるために、乾乳後期に粗濃比によって調整した異なるエネルギー水準の飼料を給与し、乾物摂取量とエネルギー充足率について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 高温環境下(平均気温:27.0)に分娩する経産牛の乾乳後期用飼料として、粗濃比を変えることによりTDN含量を66%から69%に高めたTMR(表1)を給与した場合、分娩前の乾物摂取量の低下が抑制され、適温環境下(平均気温:11.3)と同等の乾物摂取量が得られる(図1)。なお、高温環境下における試験期間中の平均最低気温は23.1、平均最高気温は31.6で、平均温湿度指数(THI)は78.0である
  2. 高温環境下において飼料中TDN含量を69%まで高めると、乾物摂取量および単位乾物当たりのエネルギー供給量が増加することにより、妊娠末期のエネルギー要求量を満たすことが出来る(表2)。
  3. 分娩後3週間における平均乳量は、高温環境下で66%のTDNを摂取した乳牛で33.3kg、69%のTDNを摂取した乳牛で35.7kgであり、有意な差は見られない。乳質にも有意な差は見られない。
成果の活用面・留意点
  1. 高温環境下で分娩する乳牛の給与設計をする際に参考となる。
  2. 305日乳量および繁殖成績についての検討は行っていない。

図表1 223218-1.jpg
図表2 223218-2.jpg
図表3 223218-3.jpg
図表4 223218-4.jpg
カテゴリ 乳牛 繁殖性改善

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