製茶加工残さ給与による豚脂肪の品質改善

タイトル 製茶加工残さ給与による豚脂肪の品質改善
担当機関 佐賀県畜産試験場
研究期間 2004~2006
研究担当者
発行年度 2006
要約 製茶加工残さはビタミンEを豊富に含み、市販飼料に2%程度外付けで混合して肥育後期に給与することにより、増体や枝肉成績に悪影響を与えることなく肥育豚の背脂肪厚の低減と脂肪中のビタミンEの増加を図ることができる。
キーワード 製茶加工残さ、背脂肪厚、ビタミンE
背景・ねらい 一般的に茶葉は摘採収穫後、製茶工場において蒸熱した後に粗揉や揉捻などの製茶加工処理を行うが、この粗揉や揉捻などの加工工程では機械に茶渋が付着し、その加工残さは廃棄物として処分されているのが現状である。これら機械に固着した残さは通常の茶葉と同等に栄養成分を含み、なおかつ安価に入手できる可能性がある。そこで、製茶工場から排出された製茶工場残さを肥育豚に給与した場合の肉質、品質に与える効果について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 製茶加工残さは市販の肥育豚用飼料と比較して粗蛋白質、粗繊維、ビタミンEの含量が高い。また、カルシウムの含量が低い(表1)。
  2. 肥育後期(70kg~と畜)に製茶加工残さを市販の肥育後期飼料に外付けで2%混合して給与することにより背脂肪厚が有意に薄くなる(P0.05)。DGや枝肉重量、背腰長など発育や枝肉成績に製茶加工残さ2%給与による悪影響は見られない(表2)。
  3. 肥育後期(70kg~と畜)に製茶加工残さを市販の肥育後期飼料に外付けで2%混合して給与することにより脂肪中のビタミンEが有意に増加する(P0.01)。保水力や脂肪融点などの肉の理化学的性状に製茶加工残さ2%給与による悪影響は見られない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 製茶加工残さは製茶工場から排出直後で水分が70%前後であるため、回収後、迅速に乾燥することが望ましい。
  2. 製茶加工残さの混合量は飼料摂取量が低下して増体が下がるため、最大で3%程度が限度である。
  3. 通常の紙袋保存ではビタミンEが分解する可能性があるため、アルミパック袋などに真空で保存することが望ましい。

図表1 223219-1.jpg
図表2 223219-2.jpg
図表3 223219-3.jpg
カテゴリ 加工 乾燥 肉牛

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