極早生ウンシュウ「いさお早生」の高品質果生産に最適な水分ストレスパターン

タイトル 極早生ウンシュウ「いさお早生」の高品質果生産に最適な水分ストレスパターン
担当機関 佐賀果樹試
研究期間 2004~2006
研究担当者
発行年度 2006
要約 極早生ウンシュウ「いさお早生」は、8月上旬までに葉の水ポテンシャルで-0.7MPa程の水分ストレスを付与させて糖度を8以上とし、その後も同程度の水分ストレスを保持させることで、9月下旬から10月上旬の収穫期に糖度11以上の高品質果実が生産できる。
背景・ねらい 「いさお早生」は、9月下旬から10月上旬頃に収穫できる極早生ウンシュウの新品種であり、佐賀県の有明海沿岸の産地を中心に導入が進められている。ここでは、「いさお早生」で収穫期に糖度11以上の高品質果実生産を達成するため、夏秋季の水分ストレスの付与程度および各生育ステージにおける目標品質等を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.収穫期の糖度が11以上の「いさお早生」は、8月上旬時点で糖度が8以上となり、9月上旬以降に増糖量が「上野早生」より大きくなって、9月下旬時点で約11まで糖度が上昇する。「いさお早生」の果実酸度は、「上野早生」よりやや低い値で推移する(図1、図2)。
2.「いさお早生」の葉の水ポテンシャルは「上野早生」より低下が緩やかで、糖度11以上の「いさお早生」では7月下旬以降に-0.6~-0.8MPa程の値で推移する(図3)。
3.「いさお早生」の葉の水ポテンシャルと日増糖量の関係は、8月上旬では「上野早生」とほぼ同様な関係を示すが、9月下旬では-0.6MPa程度で日増糖量が多くなる(図4、図5)。
4.葉の水ポテンシャルが8月に6日、9月に5日程度-0.7MPa以下となった「いさお早生」は、収穫期に糖度11以上となる(図6)。
成果の活用面・留意点 1.本成果は根域制限栽培圃場における試験で得られ、玄武岩質土壌に植栽した葉果比30程の着果量の「いさお早生」、「上野早生」を供試し、収穫期の果実階級はSM果中心であった。
2.一般のマルチ栽培園地でも本成果を活用できるが、8月上旬までに-0.7MPa程の水分ストレスを付与させるように、園地の乾燥条件等に応じてマルチ被覆時期等を調整する。
3.水分ストレス程度の判別には、果実品質の推移の他に、果実肥大や土壌水分を利用することができる。

図表1 223232-1.jpg
図表2 223232-2.jpg
図表3 223232-3.jpg
図表4 223232-4.jpg
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カテゴリ 温州みかん 乾燥 新品種

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