タイトル |
ブドウ「巨峰」の高うね根域制限栽培による新梢伸長抑制と根量増加および果実品質向上 |
担当機関 |
佐賀果樹試 |
研究期間 |
2001~2006 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2006 |
要約 |
ブドウ「巨峰」は防根シートを利用した高うね根域制限栽培を行うことによってベレゾーン以降の新梢伸長が抑制される。また、主幹から1mで深さ40cm以内に分布する根が増加する。さらに、糖度、着色など果実品質が向上し、商品化率が高くなる。
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キーワード |
ブドウ、巨峰、根域制限、着色、糖度、新梢伸長、根量
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背景・ねらい |
佐賀県のブドウ栽培は水田転換園が多く、これらの園では耕土が浅く、地下水位が高いことから、梅雨期の多雨、少日照条件下での新梢の徒長や滞水による根量不足によって着色不良や低糖度などの品質低下をきたしている。そこで、ブドウ「巨峰」の生育の安定と果実品質の向上のための高うね根域制限栽培法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 高うね根域制限栽培を行うと、品質向上に重要な時期であるベレゾーン以降の新梢の生育が抑制される。(表1)。
- 高うね根域制限栽培を行うと、主幹から約1m、縦横50cmで深さ40cm以内に分布する根が増加する(表2)。
- 高うね根域制限栽培の果実品質は、着色が向上し、糖度が高く、酸度が低くなり、商品化率が高くなる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 水田転換等の不良園地におけるブドウ「巨峰」の品質向上、生産安定対策として活用できる。
- 根域制限は防根シートで仕切った幅約1.1m、高さ約40cmのうねを作り、苗木を植え付ける。また、過乾燥防止のため必ず点滴かん水などのかん水施設を設置する。(図1)
- 使用する土は植え付け前に土量の20%の土壌改良資材(ピートモス、堆肥等)と苦土石灰、ようりんをよく混和して使用し、施肥は県の施肥基準に準じて施用する。
- 着果過多は着色不良を招く大きな要因となるので必ず適正着果量(1.5t/10a)を守る。
- 根域制限栽培を行うには防根シート、土やかん水設備などの資材費として10aあたり約50万円程度の経費がかかる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
乾燥
水田
水田転換園
施肥
土壌改良
ぶどう
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