茶園の更新によるうね間拡大と窒素溶脱量

タイトル 茶園の更新によるうね間拡大と窒素溶脱量
担当機関 鹿児島農総セ
研究期間 2004~2008
研究担当者
発行年度 2006
要約 茶園の深刈りや中切り更新後のうね間幅拡大により、雨水の地面への落下や地下への浸透水量が増え、地下への硝酸態窒素の溶脱量も高まる。
キーワード チャ、深刈り、中切り、うね間幅、浸透水量、硝酸態窒素濃度
背景・ねらい 茶園管理で、数年に一度実施される深刈りや中切り実施後の肥料成分の溶脱については詳しい情報が少ない。また、茶園のうね間は施肥位置となるため、深刈りや中切り更新後はうね間の幅が広がり、多雨時期には硝酸態窒素の地下水への溶脱も多いと推測される。弧状から水平型への樹形変化にともなう施肥窒素の溶脱に及ぼす影響については、うね間のすそ幅を狭くすることにより落下水量が減少し、浸透水の減少にともない窒素溶脱量が減少する。そこで、茶園の更新時におけるうね間幅拡大が雨水の落下と地下への浸透に及ぼす影響について検証する。
成果の内容・特徴
  1. 茶園に降った雨水の地面への落下は、葉層のある更新前の茶園では、樹冠下への落下水が最も多く、うね間での落下水は少ない。しかしながら、深刈りや中切りで葉層が除去された更新後の茶園ではうね間幅拡大の影響を受け、うね間への落下水が最も多くなる(図1、図2)。
  2. 深さ1mにおける浸透水量は、更新前の茶園では、株元>樹冠下>うね間の順に多くなるが、更新後にはうね間の浸透水量が増える(図3、図4)。
  3. うね間の深さ1mの浸透水は、中切りや深刈りを行うと増加し、硝酸態窒素の溶脱量も高まる(図3、図4、表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 中切り等の更新園で、更新を行わない時の通常の慣行施肥を行うと、うね間の浸透水量が増えることによる硝酸態窒素の地下水への溶脱が懸念されるため、溶脱の少ない肥料や硝化抑制効果のある肥料を用いる。
  2. 供試茶園は、乗用型摘採機(曲率半径300cm)で管理している厚層多腐植質黒ボク土の「やぶきた」成園である。
  3. 供試茶園の施肥は当茶業部標準施肥による年間窒素施用量50kg/10aである。

図表1 223305-1.jpg
図表2 223305-2.jpg
図表3 223305-3.jpg
カテゴリ 肥料 施肥

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