イチゴ品種「さちのか」の長崎型高設栽培における主要害虫の発生特性

タイトル イチゴ品種「さちのか」の長崎型高設栽培における主要害虫の発生特性
担当機関 長崎総農林試
研究期間 2004~2006
研究担当者
発行年度 2006
要約 イチゴ品種「さちのか」の長崎型高設栽培においては、アブラムシ類とハダニ類が地床栽培に比べて発生が多い。一方、ハスモンヨトウは10月下旬以降になると地床栽培より少なくなる傾向にあり、アザミウマ類は全般的に少なく推移する。
キーワード イチゴ、高設栽培、長崎型、さちのか、主要害虫
背景・ねらい 近年、イチゴの生産においては、高設栽培の導入により省力化や規模拡大が図られている。また、全国的に品種更新が進むなか、長崎県においては、従来の「とよのか」から「さちのか」への転換が大きく図られ、現在、主要品種となっている。しかし、従来の地床栽培と栽培様式を大きく異にする高設栽培における主要害虫の発生特性は未解明である。
そこで、今後「さちのか」の長崎型高設栽培において、天敵の利用等、効率的かつ総合的な害虫管理技術を組み立てるため、高設栽培「さちのか」における主要害虫の発生特性を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.イチゴの長崎型高設栽培「さちのか」において、アブラムシ類(ワタアブラムシ主体)は地床栽培に比べて株高への飛来虫数は少ないが、発生は地床栽培より密度増加時期が早く発生量も多い(図1)。
2.ハダニ類(カンザワハダニ主体)は、高設栽培において、密度増加時期が早く、発生量は多い傾向にある(図2)。
3.ハスモンヨトウは、高設栽培では、地床栽培と発生時期は同じであるが、10月下旬以降は、地床栽培では中老齢主体の発生や被害があるのに比べ、高設栽培では発生量や果実の被害が少ない(図3)。
4.アザミウマ類(ネギアザミウマ主体)は、高設栽培では地床栽培に比べて株高への飛来虫数が少ない。また、高設栽培では地床栽培に比べ圃場での密度増加時期は遅く、発生量は全般的に少なく推移する。(図4)。
成果の活用面・留意点 1.いずれの試験も同一条件で育成した苗を隣接する同規格のビニルハウス2棟に植え付けて行い、ほぼ同じ栽培管理である。また、本圃においては、ハスモンヨトウを除いて薬剤等無防除でのデータである。
2.長崎型高設栽培と地床栽培とでは、気温(2005年1/29~3/17の平均は高設摂氏14.7度、地床摂氏13.3度、2006年1/20~2/10の平均は高設摂氏13.4度、地床摂氏12.4度)、着色促進のためのミラーシート(高設のみ設置)などの条件が異なる。
図表1 223317-1.jpg
図表2 223317-2.jpg
図表3 223317-3.jpg
図表4 223317-4.jpg
カテゴリ 病害虫 いちご 害虫 管理技術 規模拡大 栽培技術 省力化 着色促進 ねぎ 品種 防除 薬剤 わた

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