タイトル | 発酵温度を摂氏70度まで上げる適切な堆肥化により堆肥の大腸菌は未検出となる |
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担当機関 | (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 | |
発行年度 | 2006 |
要約 | 堆肥や堆肥投入土壌中の常在菌の中から大腸菌を特異的に検出する方法を用いて、家畜ふんに接種した大腸菌の動態を調査したところ、発酵温度を摂氏70度まで上げる適切な堆肥化により、堆肥の大腸菌は未検出となる。 |
キーワード | 有機物、堆肥化、特異的検出法、大腸菌、生物的安全性 |
背景・ねらい | これまで営農現場等では、主に土壌の理化学性や作物生育への影響、雑草対策等の知見から堆肥完熟化の必要性が指導されているが、生物性については充分な科学的知見がないままである。そこで、多数の常在菌の中から目的の菌を分画し、検出するDVC-FISH(Direct viable count - Fluorescence in situ hybridization)法(染谷2006)を用いて、堆肥化過程の大腸菌の動態を調査することで、完熟堆肥の生物的安全性が高いことを明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1.堆肥や土壌中から目的とする微生物を特異的に検出するためのDVC-FISH法は次のとおり。すなわち、試料の100倍希釈懸濁液に少量の栄養基質と細胞分裂阻害剤を添加し、摂氏30度で24時間培養すると、生きている細菌は栄養を吸収して大きく肥大伸張する。この試料をFISH法にかけると、特異プローブに反応した目的菌だけが染色されるので、肥大伸張し、染色された細胞を生菌と判断する(図1)。 2.堆肥原料(牛ふん)に大腸菌を接種し、水分量を約60%とし、毎週1回切り返し作業を行う堆肥化過程、あるいは野積み状態の大腸菌数の推移を調査すると、適切な堆肥化により発酵温度は摂氏70度まで上がり(図2)、大腸菌数も2週間後には検出限界以下となる(表1)。 3.野積み等不適切な堆肥化過程で製造された資材中には、培養法では検出できなくても大腸菌が生き残っている場合がある(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.DVC-FISH法は大腸菌以外の細菌の特異的検出にも適用可能である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 病害虫 雑草 |