タイトル | 乾熱土のアンモニウム態窒素による水田土壌の窒素肥沃度の簡便迅速推定 |
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担当機関 | (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 2001~2006 |
研究担当者 | |
発行年度 | 2006 |
要約 | 水田の風乾土を乾熱すると、摂氏150度以下では温度が高いほどアンモニウム態窒素が増加し、摂氏105度・1日乾熱後のアンモニウム態窒素量は培養後無機態窒素量と高い相関があるので、乾熱土のアンモニウム態窒素量によって窒素肥沃度を簡便迅速に推定できる。 |
背景・ねらい | 輪作水田で窒素肥沃度に応じて次作の窒素施肥量を調整する場合、土壌の窒素肥沃度を前後作の間の短い期間に迅速に把握することが求められる。また、多くの水田を対象とする場合、一定の精度が有れば精度よりも簡便性に優れる手法が望ましい。ところで、風乾土を乾熱するだけでアンモニウム態窒素が増加する現象が知られているが、これまで窒素肥沃度との関係を調べた報告はみあたらない。そこで、風乾土を乾熱した土壌(以下、熱土と略)のアンモニウム態窒素量と乾熱条件および培養後無機態窒素量との関係を調べ、熱土のアンモニウム態窒素を利用した窒素肥沃度の簡便迅速推定の可能性を判断する。 |
成果の内容・特徴 | 1.乾熱温度が摂氏150度以下(期間1日)では、温度が高いほど熱土のアンモニウム態窒素量が多くなるが、摂氏180度以上ではこの発現量は低下する(図1、(この関係は4で述べる))。 2.乾熱温度が摂氏180度を超えると、熱土のアンモニウム態窒素量が減少するが、これは全窒素量の傾向(図2)から、このとき、アンモニウム態窒素が気化し、気化の程度が土壌で異なるためと推測される。 |
成果の活用面・留意点 | 1.本法は、風乾土に対する分析を熱土で行うだけで済み、水分測定に用いる乾熱器以外の新たな設備や技術は不要である。また、土壌の乾熱は水分測定と兼ねられる。さらに、アンモニウム態窒素を試験紙で定量すればより簡便迅速となる。 2.本法は特に簡便性で優れており、実際の農業現場となる数多くの水田において、施肥量調整のために大まかな窒素肥沃度を推定したい場合に適するが、従来の手法と比べて精度で劣り、詳細な窒素肥沃度の評価には適さない可能性がある。 3.乾熱処理の際は、乾熱器内の温度を事前に上げておき、乾熱期間も正確にする。 4.福岡県筑後地域を中心とする灰色低地土の結果である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 水田 施肥 輪作 |