タイトル | 植物性乳酸菌を用いた三池高菜の乳酸発酵技術と食品への利用 |
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担当機関 | 九州大学 |
研究期間 | 2002~2004 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 三池高菜を磨砕し、植物から分離した植物性乳酸菌で乳酸発酵すると、アンギオテンシン I 変換酵素(ACE)活性阻害能およびγ-アミノ酪酸(GABA)含有量が高い乳酸発酵物が得られる。乳酸発酵物の機能性は加熱調理しても低下せず、高菜ピラフの素の原料など、新規食品素材として利用できる。 |
キーワード | 三池高菜、植物性乳酸菌、アンギオテンシン I 変換酵素(ACE)活性阻害能、γ-アミノ酪酸(GABA) |
背景・ねらい | キャベツなどアブラナ科野菜は、抗酸化性、抗ガン性等の様々な機能性が報告され、近年注目されている作物である。このような中、三池高菜やかつお菜など本県特産のアブラナ科野菜についても、このような機能性やそれを活用した加工技術を明らかにすることで、消費拡大や産地の活性化が期待されている。 そこで、本県特産三池高菜を乳酸発酵させるための新規植物性乳酸菌を明らかにし、三池高菜の乳酸発酵技術とその利用技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1.野菜から分離された植物性乳酸菌74菌株を用いて三池高菜等を乳酸発酵させると、sh7、ps2-3、ya2、nr6、km23、km1-7、d3-10、ya9で対照菌株(Lactobacillus plantarumJCM1057)よりACE活性阻害能が高く、GABA生成量が2倍以上の乳酸発酵液が得られる(図1)。 2.アブラナ科野菜の乳酸発酵液は、原料野菜を磨砕し、植物性乳酸菌を添加し、摂氏30度で3日間発酵して製造する(図2)。3.三池高菜の乳酸発酵物は、アンギオテンシン I 変換酵素(ACE)活性阻害能およびγ-アミノ酪酸(GABA)含有量が高く、高菜の古漬けのような香りを持った特徴的な食品素材である(表1)。 4.三池高菜の乳酸発酵物は、ラットに対し血圧降下作用が認められる(図3)。 5.三池高菜の乳酸発酵物を添加した高菜ピラフは、食味も良好で、無添加のものと比較してACE活性阻害能およびGABA含有量が高い。また、三池高菜の乳酸発酵物を添加した高菜ピラフは、加熱調理してもACE活性阻害能は低下しない(データ略)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.福岡県特産アブラナ科野菜を利用した食品素材の製造方法として活用できる。 2.アンギオテンシン I 変換酵素(ACE)活性阻害能は、血圧降下作用を評価する手法の一つであり、ACE活性阻害能が高いほど血圧降下作用が高いとされている。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | あぶらな 加工 機能性 キャベツ 消費拡大 良食味 |