西南暖地で早植え栽培したイネは葉鞘+茎の推定TDNが高い

タイトル 西南暖地で早植え栽培したイネは葉鞘+茎の推定TDNが高い
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2003~2007
研究担当者
発行年度 2007
要約 早植え栽培したイネは、普通期栽培したイネに比べ、穂重割合は低いが、葉鞘+茎の細胞内容物(OCC)が高いため推定可消化養分総量(TDN)も高く、植物体全体の推定TDNが同程度以上になる。
キーワード 飼料イネ、推定TDN、作期、早植え栽培
背景・ねらい 西南暖地では、飼料イネはイタリアンライグラスー飼料イネ(早植え栽培、5月下旬移植)やコムギ(あるいはオオムギ)ー飼料イネ(普通期栽培、6月下旬移植)などの作付け体系で栽培されている。飼料イネには、高乾物収量に加え、高TDNが求められている。一般的に、穂の推定TDNは葉身および葉鞘+茎の推定TDNに比べ高く、品種間では穂重割合の高い品種ほど推定TDNが高いと考えられている。また早植え栽培したイネは、普通期栽培したイネに比べ、乾物収量は高いが、穂重割合が低いことが明らかになっている。そこで、早植え栽培したイネは、普通期栽培したイネに比べ、推定TDNが低いのか否かを明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 品種間の差異をみると、穂重割合の差が大きい年では、穂重割合の高い品種ほど推定TDNも高い(図1)。
  2. 早植え栽培したイネは、普通期栽培したイネに比べ、穂重割合が低いが、植物体全体の推定TDNが同程度以上である(図2)。
  3. 植物体各部位の推定TDNをみると、早植え栽培したイネは、普通期栽培したイネに比べ、葉鞘+茎の推定TDNが高い(図2)。
  4. 葉鞘+茎の推定TDN関連成分をみると、早植え栽培したイネは、普通期栽培したイネに比べ、有機物(OM)およびOCCが高く、細胞壁成分(OCW)および低消化性繊維(Ob)が低い(図3)。
  5. 葉鞘+茎のOCCと関係があると考えられる非構造性炭水化物(NSC)をみると、早植え栽培したイネは、普通期栽培したイネに比べ、NSCが高い(図3)。
  6. 以上のことから、早植え栽培したイネは、普通期栽培したイネに比べ、葉鞘+茎のNSCが高いためOCCも高く、葉鞘+茎の推定TDNが高くなる(図2、図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 飼料イネの高品質栽培を行うための基礎的知見となる。
  2. 推定TDNは、酵素分析法でOCW、Ob、CA(灰分)を測定後、推定式TDN=-5.45+0.89(OCC+Oa)+0.45OCW、OCC=100-(OCW+CA)、Oa=OCW-Ob、OM=100-CAで算出した(服部ら2005)。
  3. NSCは、重量法で測定した(大西・堀江1999)。

図表1 223379-1.jpg
カテゴリ イタリアンライグラス 大麦 品種

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