若掘りゴボウ葉柄調製機

• 担当機関: 鹿児島県農総センター
• 研究期間: 2004～2006
• 発行年度: 2007
• 要約: 若掘りゴボウの葉柄調製作業は、「葉柄リング切込器」、リング切込み後に葉柄を剥葉しながら洗浄する「ブラシ式剥葉洗浄機」、規格別に長さを切り揃える「規格揃簡易切断機」を利用することにより慣行作業の3～4倍の能率向上が期待できる。
• キーワード: ゴボウ、葉柄、調製、リング、洗浄、剥葉
• 背景・ねらい: 若掘りゴボウの調製作業は、除根毛、洗浄、葉柄剥葉（葉剥き）、葉柄長や根長を揃える切断、選別袋詰等に大別される。この中で、除根毛、洗浄については一部実用機が普及しているものの葉柄剥葉、切断については手作業で行われていることから、いくつかの簡易な調製機を開発し調製作業の省力・効率化を図る。

成果の内容・特徴

1. 葉柄リング切込器（リングカッタ）
   ゴボウの葉柄剥葉は、葉柄基部の外周にリング状の切込みを入れる事で剥葉が容易となる。本器具は、リング形状の丸刃の内側に添って葉柄基部を押し当てながらゴボウ自体を回転させることなく一周させる事で切込みを入れるもので、切込み線のずれが少なく包丁で行う従来作業に比べ疲労が少ない。作業能率は10a(20000本換算)当たり22～23.3時間である（図1）。
   
2. ブラシ式剥葉洗浄機
   本機は葉柄基部にリング切込みを施したものを、上下一対のロールブラシで水洗いをしながらブラッシングして剥葉と洗浄仕上げを行うもので、作業能率は10a当たり16.7～18.3時間である（図2）。
   
3. 規格揃簡易切断機
   本機は剥葉を行った葉柄部と根先の切断を行う簡易切断機で、作業能率は10a当たり19.4～20.0時間である（図3）。
   
4. 省力効果
   従来の手作業の工程に上記3機種を組み入れる事により、調製に係る全作業時間は10a当たり116時間程度で、慣行の3～4倍の能率向上が見込める。
   

成果の活用面・留意点

1. 普及対象地域は若掘りゴボウ産地で、利用形態は個別、共同いずれも可能である。
   
2. リング切込器はリング切込み刃高4.0mmのAタイプと2.0mmのBタイプがあり、葉柄部のボリュームに応じて使い分ける。
   
3. 基本的な作業手順は、除根毛（既存機）→洗浄（既存機）→リング切込（開発機）→剥葉（開発機）→規格切り揃え（開発機）→選別・袋詰であるが、各産地の既存の選果施設や形態を考慮して組み合わせることが望ましい。
   
4. 市販化については平成20年からの予定で、公開した機械構造や形状と異なる場合がある。なお予定価格は、1台当たり葉柄リング切込器12,000円、ブラシ式剥葉洗浄機100,000円、規格揃簡易切断機100,000円の予定である。

• カテゴリ: ごぼう 市販化