暖地型牧草ブリザンタMG5のセルトレイ苗による栄養系繁殖

タイトル 暖地型牧草ブリザンタMG5のセルトレイ苗による栄養系繁殖
担当機関 沖縄県畜産研究センター
研究期間 2004~2007
研究担当者
発行年度 2007
キーワード ブリザンタMG5、セルトレイ苗、成苗率
背景・ねらい 沖縄県は亜熱帯の気象条件を有するため、暖地型牧草の永年利用という独自の形態をとることができる。県内の畜産は農業産出額の約4割を占め、畜産の中でも肉用牛生産は自給粗飼料生産と共に伸びている。しかし、沖縄県の肉用牛生産地域は多くの離島からなり、気象および土壌条件によって干ばつの被害を受ける地域があるため、干ばつに適応した新しい草種を導入することが望ましい。強い干ばつ耐性で知られるブラキアリア属は、熱帯地域のブラジルなどの国で盛んに利用されている。しかし、現在、ブラキアリア属の種子の輸入は高コストであり、また、沖縄では種子稔性が不安定であるため種子繁殖が困難な状況にある。そこで、本研究では、ブラキアリア属の中で高収量、高品質と報告されているブリザンタMG5(Brachiaria brizantha)の普及を推進する方策として、栄養系繁殖によるセルトレイ苗の利用の可能性を検討し、省力的草地造成法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. セルトレイ苗を形成するための適当な条件を検討したところ、刈り取った状態のまま茎や葉を切らず最下部の節を埋め茎挿しする「刈取り状態法」で最も高く、76.7%の成苗率である。また、2節茎を乾かないように水や湿った布に浸し、または培養土に浅く埋めて、約2週間置き節から一旦発芽させ、節を切取り茎挿しする「2段階法」では50.3%、草地を高刈りして約2週間置き、草地に残った茎の節から一旦発芽させ、その節を切取り茎挿しする「草地発芽法」では66.7%の成苗率である(表1)。
  2. 機械植え区と手植え区においてMG5セルトレイ苗900株をそれぞれ用いて植付けを行ったところ、植付け時間は10a換算で機械植え区が380分、手植え区が774分であり機械植え区が手植え区に比べ1/2の時間に短縮される(表2)。
  3. 沖縄県畜産研究センター圃場内の国頭マージ土壌に植付けられたMG5セルトレイ苗は良好に定着し成育する(図1)。
成果の活用面・留意点 ブリザンタMG5を用いて、栄養系繁殖によるセルトレイ苗で省力的草地造成を行う際の参考となる。
図表1 223403-1.jpg
カテゴリ 亜熱帯 コスト 肉牛 繁殖性改善

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